新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は6月5日、燃料電池自動車(FCV)の本格的な普及に向け、燃料電池の高性能化・低コスト化、生産性の向上の実現に向けた研究開発プロジェクトに着手すると発表した。

すでに一部の自動車メーカーよりFCVの販売などが開始されているが、本格的な普及に向けては、搭載されている固体高分子形燃料電池(PEFC)の低コスト化に向けた白金使用量の低減、車種の拡大に向けた燃料電池の高性能化、燃料電池の生産性の向上などの技術課題がいまだに存在しており、今回のプロジェクトでは、こうした課題のうち、ユーザー企業において技術開発・製品化を促進するための基盤となる技術開発を進めるという。

具体的には、新たな燃料電池の開発を効率的に実施するために有効な、「燃料電池の内部構造や反応メカニズムをさまざざな手法を駆使して解析する技術」、「商用車への適用を見据えた5万時間(乗用車の10倍)の耐久性評価を可能とする技術」、「高性能化を実現する新規材料の、燃料電池への適用を可能とする設計指針(コンセプト)の創出」などの基盤的な研究開発に取り組むとしているほか、生産性を現行の10倍程度に向上させることを目指した新たなプロセス技術などの研究開発も進める計画としている。

NEDOが今回開始するプロジェクトのイメージ