マイナンバー制度への対応を実施または計画段階の企業は全体の30%程度であり、特に従業員数100人以下の企業や東京以外の地域での遅れが目立つという。日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が6月2日に発表した。

これは、同協会が日本商工会議所との共催で全国9カ所において開催した「企業におけるマイナンバー制度実務対応セミナー」参加申込者に対して実施した、マイナンバー対応状況についてのアンケート結果によるもの(回答期間は3月16日から5月20日、セミナーへの参加申込者数は3,495人、うち回答数は3,386人)。

マイナンバー制度への対応状況をたずねたところ、「既に取り組んでいる」との回答は全体の3%に過ぎず、「計画中である」の28%を合わせても、対応を既に実施しているか計画段階の企業は全体の31%にとどまった。最も多かった回答は「何をすべきかわからない」の41%だった。

全体のマイナンバー対応状況

規模別および地域別で見ると、従業員数300名以上の企業、東京地域の企業では約半数が対応に向けて行動を起こしているのに対し、100名以下や東京以外の企業では準備が遅れているという結果だった。

また、セミナーで聞きたい内容に関しても、東京では実務における具体的対応策への要望が多い一方で、東京以外では制度そのものの概要について知りたいとする要望が多かったという。これは同セミナー参加者の声にもあった「地方開催のセミナーなどが少なく、情報入手が困難」との状況によるところも大きいと、同協会は見ている。

従業員規模別のマイナンバー対応状況

地域別のマイナンバー対応状況

同協会では今後、同セミナーで寄せられた声をもとに関係機関に対して必要な措置を提言していくとのこと。

さらに、民間事業者におけるマイナンバー制度への円滑な対応や、個人番号を含む個人情報保護全般に関する社員の意識を高めることを目的とした研修サービス、個人番号関係事務の一部を代行する事業者などが実施する特定個人情報保護評価(PIA)に対する事前点検サービスなどを実施し、より安心できる情報社会の環境作りを進めていくとしている。