まだだ、まだ終わらんよ! 久々に登場したAM3+対応マザーボードの新作「GA-990FXA-UD3 R5」をチェック

発売から4年の歳月が過ぎたSocket AM3+プラットフォーム

Phenom IIのためにSocket AM3が誕生したのが2009年、そしてBulldozerのためにSocket AM3+へと進化したのが、2011年。その後2012年にアーキテクチャはPiledriverとなったが、ソケットは据え置きとなり、現在に至る。

そう、Socket AM3+が誕生してから、はや4年もの月日が流れていたのだ。そんなまれに見るご長寿ソケットとなったSocket AM3+環境に向け、GIGABYTEから久しぶりの新作マザーボード「GA-990FXA-UD3 R5」が発売された。

とはいえ、チップセットはAMD 990FX + SB950から変化なし。"R5"という型番が追加されたことからもわかる通り、これは最新の技術によってブラッシュアップを図ったリニューアルモデルとなる。今回はこの「GA-990FXA-UD3 R5」を詳しく紹介していこう。

2015年のGIGABYTEの技術水準で生まれ変わったSocket AM3+マザーボード「GA-990FXA-UD3 R5」

「GA-990FXA-UD3 R5」マザーボード背面の様子。スチール製のしっかりとしたバックプレートがCPUクーラーを支えてくれる

「GA-990FXA-UD3 R5」のパッケージ。メインストリーム向けとなる「Ultra Durable」シリーズのロゴを基本としたデザインだ

同梱品として製品マニュアルとドライバディスク、バックパネル、SATA3.0ケーブル×4、SLIブリッジ、エンブレムシール×2が同梱される

PWMのデジタル化によって安定した動作とオーバークロックを実現

それではあらためて説明に入ろう。「GA-990FXA-UD3 R5」は、Socket AM3+を備えたAMD FXプロセッサ向けのメインストリームマザーボード。ノースブリッジにAMD 990FX、サウスブリッジにSB950を搭載し、「FX-8370」を初めとしたAMDのハイエンドCPUを利用でき、8コアCPUの真価を発揮させることが可能だ。

デジタル化されたPWM電源回路には、International Rectifier(IR)製のPWMコントローラが採用されており、8+2フェーズという構成。TDP220Wで数値にふさわしい発熱と消費電力を誇る「FX-9590」にも対応する。なお、これらのPWM電源回路やノースブリッジにはそれぞれ新たに設計されたヒートシンクが取り付けられており、互いにヒートパイプで結ばれている。電源回路によるコントロールとあわせ、発熱を素早く分散させることができるだろう。

Socket AM3+を採用しており、8コアCPUもラインナップしているAMD FXプロセッサを搭載可能

PWMコントローラとしてInternational Rectifier(IR)のIR3598、IR3564B、パワーMOSFETにRenesasのRJK0393DPA(ローサイド)、RJK03B7DPA(ハイサイド)を搭載している

また、2オンス銅箔層基板設計の採用によりボード自体の発熱を抑えているほか、ガラス繊維基板による湿気対策なども施されている。メモリスロットは4基となり、従来通りDDR3-1066~1866MHzまでが正式対応範囲となるが、2000MHz超の設定も行えるので、ハイクロックメモリを試してみることも可能だ。

2000MHz超のメモリクロックに独自対応しており、オーバークロックメモリを利用して性能を引き上げることが可能

オーディオ周りにも、近年のギガバイトのこだわりが集約されている。オーディオチップには再生時SN比115dB、録音時SN比104dBを実現した「Realtek ALC 1150」を採用。オーディオ回路をPCB層で分離することにより、アナログ/デジタル相互のノイズを防止している。また日本ケミコン製のオーディオコンデンサや、バックパネル出力用のオーディオアンプを採用。サウンドカードなしでも高品質なオーディオが楽しめる。

オーディオ回路周辺の様子。高級オーディオコンデンサや、PCB層分離ラインなどが確認できる。なお、オペアンプはTIのOP1652

SN比115dBを実現し、多くのミドル~ハイクラスマザーボードに搭載されているオーディオチップ「Realtek ALC 1150」