IHI、神戸大学、ちとせ研究所らは5月21日、バイオ燃料用微細藻類(ボツリオコッカス)の屋外大規模培養に成功したと発表した。

高速増殖型ボツリオコッカスは石油の替わりとなる炭化水素油を生産し、増殖性が高いという特徴がある。三者は2012年度より高速増殖型ボツリオコッカス株を用いた研究開発に取り組み、藻体径の増大、浮上性の向上などを実現した新株の育種に成功し100m2規模での屋外安定培養技術を確立するなどの成果を得ている。

今回は、鹿児島県鹿児島市七ツ島にある1500m2の培養池を有する屋外試験設備で、栄養となる糖類を添加せず、光合成のみで藻体を安定的に増殖することに成功。この規模での成功は、事業化に向け大きな前進であると位置づけられる。

今後、課題抽出を含めた通年での安定的な藻体量産技術の更なる向上などを目指し、試験を継続していく。

屋外の培養池(1500m2)

藻から油が染みだしている様子