帝国データバンクは5月19日、企業のマイナンバー制度への対応および見解に関する調査結果を発表した。同調査の対象は全国2万3211社で、有効回答企業数は1万720社。

調査結果によると、マイナンバー制度について、企業の9割超は何らかの形で認識していたが、「内容も含めて知っている」という企業は約4割にとどまった。

「内容も含めて知っている」企業を業界別に見ると、「金融」が66.9%で最も高く、「サービス」が5割を超えている。逆に、「農・林・水産」「小売」「不動産」は3割台にとどまっており、最も高い「金融」と最も低い「農・林・水産」で30ポイント以上の差があった。

マイナンバー制度を「内容も含めて知っている」企業の割合 資料:帝国データバンク

マイナンバー制度について「内容も含めて知っている」「言葉だけ知っている」のいずれかを回答した企業1万271社に対して、同制度をどのような経路で知ったのか尋ねたところ、「新聞」が61.3%で最多となった(複数回答)。これに、「テレビ」(40.6%)が続き、多くの企業がマスコミ媒体を通じてマイナンバー制度に関する情報を入手している様子が明らかになった。

また、マイナンバー制度への対応を進めている(あるいは完了した)企業は2割弱にとどまった。企業の約6割は対応を予定しつつも何もしておらず、全体の進行状況は8.9%にとどまっている。

対応を進めている企業の内容は「給与システムの更新」が半数を占め、「社会保障関係書類の更新」「基本方針・取扱規程等の策定」が3割台で続いた。

また、マイナンバー制度へのコスト負担額は1社当たり約109万円と推計され、従業員数が多くなるに従って上昇し、1000人超の企業では約581万円の負担を想定している。

そのほか、法人番号制度について、企業の約4割が「知らなかった」と回答し、特に従業員数が5人以下の企業では半数超が法人番号制度自体を認識していなかった。

マイナンバー制度への対応で想定しているコスト負担 資料:帝国データバンク

マイナンバー制度への対応にかかる平均コスト負担額 資料:帝国データバンク