iPhoneのホーム画面は、その人自身を映しだす"鏡"です。なにが好きなのか、なにを気にしているのか見てとれますし、その人の性格まで見えてくることもあります。本稿では、女子のiPhoneのホーム画面から、化粧などの外見や男女の恋愛に関する心理に詳しい心理学者であり、大学教員の平松隆円氏が、持ち主の性格や心理、行動をプロファイリングします。本稿を参考にすれば、ホーム画面さえみることができれば、その女子の口説き方までわかるかも!? 今回はSさん23歳のホーム画面です。

本稿の最後には、Sさんの反応も掲載しますので、みなさん自身のプロファイリングと比べて当たっているかどうか確認してみてくださいね。

SさんのiPhoneホーム画面全4枚

Sさん

1枚目

2枚目

3枚目

4枚目

プロファイリングと解説

今回の女性は、ホーム画面が5枚です。とはいえ、5枚目はアプリがなにもないホーム画面ですので、実質4枚です。では、詳しくみていくことにしましょう。

壁紙の画像ですが、おそらくボリビアのウユニ塩原ではないでしょうか。ウユニ塩原は、その名前の通り塩の大地。世界でもっとも平らな場所ともよばれていて、雨が溜まると鏡のようになることから天空の鏡なんて呼ばれていたりします。

この画像を壁紙に選んでいる理由は、ウユニ塩原に行ってみたいというよりも、日々の喧噪からはなれ、シンプルな生き方をしたいという気持ちが、心のどこかに潜んでいるのではないでしょうか。今の生活に窮屈を感じていたり、不満が心のどこかにあるのかも。断言してしまうと怒られてしまうかもしれませんが、癒しが必要なんだ思います。

美しいウユニ塩原の写真が壁紙

「そんなことを言うけど、旅行好きかただ行ってみたいだけなんじゃないの?」という声もあるでしょう。たしかに、ホテルを簡単に検索・予約できる「Booking.com」や為替を計算する「為替計算機」などもあるので、海外旅行好きなのかなという気もします。けれども、「Booking.com」をダウンロードするような旅行好きなら、格安航空券を検索できる「Skyscanner」もあっていい気がするのですが、見当たりません。ですので、単純に旅行好きで片づけるのは早計だと思ったのです。

「Booking.com」や「為替計算機」が

他のアプリに目を移すと、次の電車の出発までの時間をカウントダウン形式で表示する時刻表アプリの「駅.Locky」があるので、終電間際まで仕事をするようなこともあるのかも。そして終電を逃したときに、「Booking.com」でホテルを探すという可能性はあるかもしれませんね。ですが、そういう生活はいくら仕事が好きでも、やっぱり疲れますよね。そんなところも、ウユニ塩原の壁紙に表れているのではないでしょうか。

「駅.Locky」

全体的にアプリを見ると、業務用のiPhoneなのではないかとおもうくらいシンプルです。これまでホーム画面診断に協力してくれた女性たちのように、たくさんのカメラアプリや写真をデコるためのアプリもありません。唯一のエンタメ系ともいえるアプリは、自分のアバターを作成し1コマ漫画にできる「Bitstrips」。「Facebook」と連動しているアプリなので、一度は見たことがある人も多いのでは?

作成した漫画ではコマ内に吹き出しを加えてセリフを入れたり、表情を変えたりすることができます。自分自身が言えないないことや感じたことを、アバターを自分の代弁者として使って表現しているのかも。このあたりも、癒しが必要な気にさせます。

「Bitstrips」

この女性とは、適度な距離感を保ちつつ、さりげなく彼女に癒しを提供してあげるという関係が、いいかもしれませんね。

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Sさん「え? 私ってそんなに疲れているの?」

以上の診断をSさんに報告すると、「アプリは普段からあまりダウンロードしないし、ゲームアプリも抵抗があってあまりしないので、参考材料が少なかったのかもしれませんが、ちょっと考えすぎなのでは? と、思ってしまいました。それから、私ってそんなに疲れているのかな? と驚きました」と、診断結果に戸惑っていた。

壁紙については、「このウユニ塩原の写真は私が実際に行って撮影しました。なかなか上手に撮影できたので、iPhoneの壁紙にしました」という。旅行好きというのは当たっているようで、「学生時代は20カ国以上旅しました。そのなかでもウユニはかなり過酷だったんですよ」思い出を語っていた。

“疲れているのでは?”という診断結果については、「ちょっぴり疲れているかもですが、生活を窮屈には感じていません。海外旅行についても、癒やしを求めて行くというよりも、刺激を求めてって感じですね。なので、リゾート地にはこれまで行ったことがありません」と話してくれた。

それでも、“癒やしを提供してあげると良いかも“という分析には、「その通りです! 男性には刺激よりも癒やしですね(笑)。何事にも怒らず包容力のある方がタイプです。一緒にいて安心できるような人がいいですね」と、好きなタイプが当たっていることに喜んでいた。

ちなみに、デートへの誘い方は「落ち着いたレストランなどで、お酒を飲みながらゆっくりと話したいですね。互いの趣味や得意分野などについて、話せると嬉しいです」とのことだった。

平松隆円…化粧心理学者/大学教員
1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。