IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は、スマートフォンでの新たな詐欺の手口を確認したとして、利用者に注意を呼びかけた。請求画面の表示後に写真を撮られたと誤認させたり、登録完了画面の表示後に自動的に電話を発信したりするケースを確認したという。

請求画面の表示後に写真を撮られたと誤認させるケースでは、請求画面が表示された際にシャッター音が聞こえるという。しかし、ブラウザによるウェブサイト閲覧だけでは、スマートフォンのカメラ機能を制御したり、撮影した写真をネットワーク経由で送信したりすることはできないとしている。

シャッター音を鳴らして自分の写真が撮影、送信されたと誤認させる

ただし、利用者の操作をきっかけとして、ブラウザ上で音楽ファイルの再生は可能。このことから、請求画面の表示時にシャッター音の音楽データを再生し、あたかも利用者に自分の写真が撮影、送信されたと誤認させ、詐欺業者にあわてて連絡をとらせる意図があることが考えられるという。

自動的に電話を発信するケースでは、該当の詐欺サイトにアクセスすると、登録完了画面の表示後に、登録情報に関するポップアップが表示され、確認の「OK」ボタンを押すと、問い合わせ先の電話番号に発信するコマンドが表示されるという。

自動的に電話を発信する手口の流れ

このコマンドでキャンセルしても、登録完了後の表示画面に戻り、登録情報に関するポップアップが表示され、ループ状態になってしまう。発信しない限り、ブラウザが使えないと思い込ませる手口になっている。

また、発信先の電話番号の先頭には「186」が追加されており、利用者が非通知設定にしていても、電話番号が相手に通知されてしまい、注意が必要になる。

これらへの対処法としては、ブラウザの表示から請求画面を消すために、タブの削除や閲覧の消去を行い、業者には絶対に連絡をとらないことが大切だとしている。ただし、後者のケースについては、ブラウザのタブの削除は誤作動により、電話発信をする可能性があり、ブラウザの閲覧履歴の消去が推奨されるとしている。

後者のケースへの対処方法