カネカは4月1日、ベルギーにあるグループ会社のEurogentecがプラスミドDNA(pDNA)のGMP(Good Manufacturing Practice)製造の量産化に成功したと発表した。GMPは医薬品などの製造管理および品質管理の基準。

pDNAは大腸菌などの細菌や酵母の核外に存在する環状DNA分子の総称で、従来からタンパク質などのバイオ医薬の生産プロセスに利用されている。近年では遺伝子医薬として、タンパク質医薬に比べより効率的に治療効果を発揮することが期待されており、現在有効な治療法が無い遺伝性疾患、がん、アレルギー疾患、感染症などに対する遺伝子治療薬またはDNAワクチンとして研究開発が進められている。

今回Eurogentecでは保有する技術とGMP製造設備によって、従来一般的に考えられていたpDNA生産量の約10倍にあたる、バッチ当たり150gの生産を実現した。同設備は米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けており、米国および欧州での臨床試験に使用されるGMPグレードpDNAを製造することができるという。