日本チェーンストア協会はこのほど、2012年から開催しているコンテスト「チェーンストアお買い物川柳 大募集!!」の今年の受賞作品を発表した。川柳のコンテストといえば4万句以上の応募を集めるサラリーマン川柳などが有名だが、このお買い物川柳はあまり知られていないかもしれないが、7万句以上の応募が集まる川柳コンテストとなっている。

同コンテストは、2011年3月の大震災を経験して改めて認識した“日常の大切さ”や“消費財流通の重要性”などを自覚し、ふだんの買い物の楽しさを再発見してもらい、消費者の暮らしに笑顔と元気を届けたいという思いから日本チェーンストア協会が実施しているもの。

3回目となる今回のテーマは、「うれしい!たのしい!お買い物! チェーンストア お買い物 川柳 大募集!!」。2014年11月1日~12月15日の募集期間で、延べ1万4,345人から総数7万5,215作品の応募があったという。

今回の応募者は、幼児から最高齢は100歳までとなり、これまでの最高齢記録の96歳を上回る、幅広い層にわたった。買い物で感じたことや見かけたことなど、チェーンストアの商品や サービスにまつわるエピソードを川柳で表現するというコンテストの主旨に対して、一般の部では、特売、バーゲン、安売りなどのお買い得感を題材としたものや、孫や夫婦関係、親子関係などを意識したものを取り上げた作品が今回も多かった。そのほか、消費税を意識した句や、景気回復への期待感からか、前回に続いて“アベノミクス”を詠んだ句も多かったという。

さらに今回から新たに“感謝賞”を設けた影響からか、お店のスタッフの笑顔や思いやりのある応対を題材とした句が目を引いたというのが主催者による総評だ。

応募作品をじっくり確認する、審査員のコピーライター 仲畑貴志氏、川柳作家 やすみりえ氏、イラストレーター 上大岡トメ氏ら

一般の部の金賞受賞作は次の10点。いずれの作品も、スーパーの一角で繰り広げられるちょっとした出来事やありがちな行動が、自嘲的な笑いを込めておもしろおかしく表現されており、消費者の共感を呼ぶ作品だ。

「もみじの手 お菓子売り場に 舵をきる」(奈良県/白馬のおやじ)
「新店舗 過疎の町にも 笑顔呼び」(秋田県/そよ)
「速いレジ それも一つの おもてなし」(東京都/建部喜邦)
「買い物は 女のアンチ・ エイジング」(徳島県/山田絵里)
「値段より 裏面チェック 母になり」(福岡県/はなはこさん)
「詰め放題 矯正下着の コツ生かす」(山形県/おらいなだ)
「スーパーに 一人暮らしが 支えられ」(千葉県/かずおき)
「バーゲンで 増えるわたしの 笑いじわ」(埼玉県/オケイ)
「恋人と 行った時だけ 緩む紐」(大分県/MIUパパ)
「哲学者 みたいな顔で 肉選ぶ」(神奈川県/しし)

金賞を受賞した10人には副賞として現金10万円が贈られたほか、銀賞の30人には3万円、銅賞の60人には1万円、感謝賞の100人には5,000円、チェーンストア賞として100人に3,000円が進呈された。

小学生の部では、レジやチェッカーへの関心の表れか“セルフレジ”を取り上げた句や、子どもの目線から親の買い物行動をよく観察している句が多く寄せられたとのこと。そのほか、消費税を意識した句や、景気回復への期待感からか、前回に続いて“アベノミクス”を詠んだ句も多かったという。小学生の部では、50句の優秀賞が選ばれ、1万円分の図書カードが贈られたほか、500人にチャレンジ賞として3,000円分の図書カードが贈呈された。なお、今回のコンテストの金・銀・銅賞など受賞作品は公式Webサイトで確認できる。