Androidのセキュリティ機能として「On-body detection」が実装されたことが話題になっている。初報はAndroid Policeの3月20日(米国時間)のレポートだが、すでにGoogleのサポートページに記載があるなど、少しずつ対象となるユーザーを拡大していくサイレントアップデート方式を採っているとみられる。条件としてはAndroid 5.0以上となるが、対象となるデバイスはまだ限定されているようで、当初は主にNexusシリーズのデバイスを持つユーザー向けの機能になるとみられる。
「On-body detection」の機能は、Androidの設定メニューから「Security」→「Smart Lock」の項目を選択し、そこに表示される4つのアンロック機能の1つとして追加される。通常、Androidの操作ロック解除はPINコードまたはパターン入力を介して行うが、毎回画面が消えるたびに操作ロック解除動作を行わなければならず煩雑だ。そのため、中には操作ロックそのものを設定しないユーザーもいるだろう。そこで一定のセキュリティを維持しつつ、このロック解除動作を簡易にするのがSmart Lockの役割となる。
詳細はGoogleのサポートページを確認してほしいが、特定のデバイスとのBluetoothペアリング時またはNFCタグの併用で操作ロックを解除する「Trusted devices」、自宅や職場など特定のエリアにいるときのみ操作ロック解除状態を維持する「Trusted places」、顔認証を有効にする「Trusted face」、そして今回の「On-body detection」だ。「On-body」とあるように「(特定ユーザーの)体に接している」ことを検知する機能であり、例えばポケット内や手にデバイスを持った状態を維持する限り、加速度センサーなどの情報を得てAndroidデバイスが「デバイス自身が特定の利用者に保持し続けられている」ことを認識し、1回の操作ロック解除動作で「ユーザーの手を離れない限り」はロック解除状態を維持する。逆に「机にデバイスを置く」「誰か別の第三者に持ち去られる」といった状態を挟むと、デバイスは即座にロック状態へと戻り、データ保護を優先する。これが「On-body detection」の概要となる。
現在筆者のNexus 5 (Android 5.0.1)のSmart Lock設定画面は写真にあるように4つめの項目が「Trusted behavior (experimental)」となっており、On-body detectionの機能は有効化されていない。だがAndroid PoliceのレポートではAndroid 5.0.1が導入されたNexus 4で動作しているなど、バージョン以外の要素、例えば機種の新しさなどは特に関係ないようだ。そのため、現在はOn-body detectionが有効化されていないユーザーであっても、(Nexusデバイスなどの対応条件を満たせば)今後数週間程度の間にアップデートで利用可能になるとみられる。