ロームグループのラピスセミコンダクタは3月24日、家庭の省エネ化に向け導入が進むスマートメータやHEMS機器に対応した無線通信LSI「ML7416」を開発したと発表した。

同製品は、無線通信部とWi-SUNに最適な制御用CPUとしてARM Cortex-M0+(最大40MHz駆動)を内蔵した1チップ無線通信LSIで、無線通信部には国内スマートメータに多くの採用実績を持つ同社の無線通信LSI「ML7396B」を採用しているほか、512KBのFlashメモリと64KB RAMを搭載することで、Wi-SUN対応無線機器で必要になるすべての機能を1チップで実現した。これにより、ML7396Bとマイコンの2チップで実現していた従来構成に比べ、実装面積を約35%減らすことが可能となるほか、システムの簡素化も図ることが可能となるという。また、単層基板でも部品配置が可能となるため、機器のトータルコストの低減も可能になるとする。

加えて、Wi-SUNのすべてのデータ通信は暗号化されているが、Wi-SUNの暗号モードに対応したハードウェア暗号エンジンとパケット処理に最適なDMAコントローラを新たに開発・搭載したことで、CPU負荷を従来ソリューション比で1/2000に軽減することに成功したとする。

なお、同製品は2015年3月よりサンプル価格1000円(税別)にてサンプル出荷を開始するほか、2015年8月より量産出荷を開始する予定。量産規模は月産30万個を予定しているという。

「ML7416」のパッケージ外観