2015年3月21日より全国公開される特撮映画『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』は、2012年以来毎年春に公開される、歴代東映ヒーローが大集合して巨大な悪の軍団と戦う「スーパーヒーロー大戦」シリーズの最新作である。

本作は「仮面ライダーの歴史が狂う」をキャッチフレーズにして、本来なら仮面ライダーの歴史では存在し得ない幻のキャラクター「仮面ライダー3号」が登場し、仮面ライダー1号と2号を倒してしまうという衝撃的な場面から幕を開ける。現在放送中の『仮面ライダードライブ』からも仮面ライダードライブ、仮面ライダーマッハが、仮面ライダー3号=黒井響一郎と出会うことで、悪のショッカーに支配されてしまった世界の中で、狂った歴史を取り戻せるのか――ライダーファンのみならず、日本のヒーロー史における常識をも覆す物語が描かれるという。

映画には仮面ライダーBLACK、仮面ライダーゼロノス、仮面ライダーギャレン、仮面ライダー555(ファイズ)といった歴代ライダーの参戦とともに、最新のスーパー戦隊『手裏剣戦隊ニンニンジャー』の5人も登場するが、なんといっても物語の鍵を握る重要人物は、タイトルにもあるように、仮面ライダー3号=黒井響一郎である。

ミステリアスな黒井を演じるのが、今年でデビュー20周年を迎え、アーティストとして、またTVドラマ、映画、舞台と幅広く活躍を続け、女性だけでなく幅広い年代から人気を集めている"ミッチー"こと俳優の及川光博。発表時から大きな話題をもって迎えられたが、今回、子供の頃から仮面ライダーの大ファンだったという及川にインタビューを敢行し、憧れのヒーローに"変身"することになった喜びや想い、そして黒井響一郎という人物像について話を聞いた。

『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』で仮面ライダー3号/黒井響一郎を演じる及川光博
撮影:大塚素久(SYASYA)

――今回、仮面ライダー1号、2号を倒す仮面ライダー3号として出演されますが、オファーを受けた時、率直に何を思われましたか?

最初に『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』というタイトルを聞いた時、「あれ? 3号ってV3でしょ」と不思議に思いましたね。僕にとっての仮面ライダー3号とはV3ですから、これはいったいどういうストーリーなのかと。頭の中が「?」でいっぱいになりました。企画書を読み進めていくと、新たに描かれた3号のデザイン画が入っていて、思わず目が釘づけになってしまったことを覚えています(笑)。この3号のデザインがとてもカッコよくてね。仮面ライダーというヒーローでありながら、やはりショッカーが作った怪人でもある――昭和に子供時代を過ごした男子としては、胸が熱くなりましたよ。

――子供の頃から仮面ライダーをご覧になっていたとおっしゃっていましたね。

キャスト発表会見(1月28日)でもお話しましたが、『仮面ライダーV3』(1973年)や『仮面ライダーX』(1974年)なんて、もう熱狂的に観ていました。もちろん、1号と2号が出てくる最初の『仮面ライダー』も大好きでしたよ。

――では『仮面ライダー』の最終回である第98話のクライマックスを再現したという本作の冒頭シーンは衝撃的だったのでは?

確かに、冒頭のシーンは強烈でした。1号と2号がついに首領と対面するシーンから始まります。今の『仮面ライダー』を観ている子供たちにとっては、これまで学んできた"歴史の教科書"が書き換えられるようなショックを感じるかもしれない。同時に、昭和40年代、50年代生まれの「仮面ライダーで育った世代」からすれば、この瞬間は目撃しなくてはいけないというか……どうしても観たくなるでしょう(笑)。

――先ほど及川さんもおっしゃいましたが、仮面ライダー3号はショッカーの手先として登場し、かなりダークな立ち位置です。

"ダークヒーロー"は昔から好きですね。作品は違いますが、例えば『人造人間キカイダー』(1972年)に登場するハカイダー、あるいはデビルマンもそう。僕が子供の頃に生み出された漫画やアニメ、特撮作品では、影をまとった"危うさ"のあるキャラクターが多かったように思います。もちろん、正義のヒーロー然としたライダー役でも喜んで引き受けましたが、今回声をかけていただいた仮面ライダー3号には、ダークヒーローのイメージ、ショッカーの怪人であるという基本設定の部分に魅力を感じ、ぜひ演じてみたいと思いました。