シトリックス・システムズ・ジャパンは3月17日、通信サービス・プロバイダを対象とするキャリア・グレードのアプリケーション・デリバリー・コントローラー(ADC)である「Citrix NetScaler MPX 25000シリーズ」を発売した。スタンダード・エディションの同社参考税別価格は、NetScaler MPX 25100Tが2,080万円から、同25160Tが2,380万円から。

NetScaler 25000シリーズの外観

新製品は、160Gbpsの性能を持つ2ラック・ユニット(2RU)アプライアンスであり、事業者はモバイルS/Gi-LANサービスのデータ・プレーンにおけるキャパシティを3.5Tbpsまで拡張できるほか、キャパシティに対する初期投資を保護できるとしている。 他社ADC製品で一般的に使用されているカスタムメイドのASICではなくマーチャントシリコン(汎用チップセット)を採用しており、安価なプロセッサでより高い性能を発揮でき、価格性能比に優れるという。

なお新製品は、数万台のサーバを必要とするパブリック・クラウドや通信事業者グレードのクラウド向けのADCとして、大規模環境においてコスト効率の良い導入が確実に行えるよう設計したとのこと。

データ・プレーンにおける最適化、ゲートウェイ負荷分散、CGNAT、トラフィック・ステアリング、およびコントロール・プレーンにおけるLTE DNS、SMPP、SIP、Diameter負荷分散など、様々なネットワーク・ユース・ケースのスケーリングが可能という。

また、S/Gi-LAN環境において複雑性や非効率性を伴うユース・ケース固有の導入を削減するとしている。同社によると、キャリア・グレード・ネットワーク・アドレス変換(CGNAT)とデータ・プレーンの負荷分散、およびオプションでトラフィック・ステアリングを実施することが最もインパクトのある統合シナリオとしている。

さらに、複数のアプライアンスを単一のロジックおよび機能ユニットとして取り扱えるようにするCitrix TriScaleによるスケールアウト・クラスタリングを通じて、自社のネットワーク・インフラストラクチャに対する投資を保護できるという。先行投資の最小化と新規ハードウェアによるキャパシティのスケーリングを目指す事業者は、既存のハードウェアを引き続き利用できるとのことだ。