日本の特撮ヒーロー(仮面ライダーやウルトラマン、レンジャー系など)のスーツデザイン、かっこいいと思いますか?

古くは1950年代にさかのぼる日本の特撮ヒーロー。ウルトラマンや仮面ライダーを筆頭に今や海外にもファンがいるほどです。撮影技術とも関連しながら進化してきた日本のエンターテインメント分野ですが、そのスーツのデザインはどう見られているでしょうか。

今回は、日本在住の外国人20名に「日本の特撮ヒーロー(仮面ライダーやウルトラマン、レンジャー系など)のスーツデザイン、かっこいいと思いますか?」と質問してみました。

■かっこいいと思います。武器もいろんな所から出てきてかっこいいです。(タイ/30代後半/女性)
■とてもかっこいいと思う。(チュニジア/40代後半/男性)
■かっこいいと思います。(ドイツ/40代前半/女性)
■かっこいいと思います。(ベトナム/30代前半/女性)
■かっこいいと思います。(ペルー/30代前半/男性)
■はい、思います。(台湾/40代前半/男性)
■はい。(韓国/40代後半/男性)
■はい。(ロシア/20代前半/女性)

限定はありつつも……という意見を含めると、肯定派と否定派がほぼ半数ずつに別れた今回。性別があまり関係ない所が面白いですね。古くはテレビ1958年の「月光仮面」までさかのぼる特撮ヒーローの世界。1966~67年のカラーテレビ普及当時は、カラータイマーを持つ「ウルトラマン」や「仮面の忍者赤影」などカラーであることを意識したデザインが増えたといいます。このウルトラマンのデザイナーは、彫刻家の成田亨氏。広隆寺の弥勒菩薩像や宇宙ロケット、火星の模様などをアイデア源とし、子ども向けながらアート的なコンセプトを持つものでした(カラータイマーは、円谷特技プロ文芸部の発案で成田氏自身は嫌っていたそう)。

一方、最近のヒーローの例で言えば、「仮面ライダーフォーゼ」を手がけたデザイナー田嶋秀樹氏は、初見のインパクトと石ノ森章太郎氏が掲げた「だれでも描けるようなデザイン」を重視したそう。「子どもでも描くことができて、見たら絶対忘れない愛されるキャラクター」を意識したと、あるWebサイト上にて語っています。

■私はあまり好きではないのですが、デザインとしてはかっこいいと思います(スウェーデン/40代後半/女性)
■独特だとは思う。(イギリス/20代前半/女性)
■変だがたまにかっこいい。(オーストラリア/40代前半/男性)
■色ははっきりしているが安っぽいところが残念です。(マレーシア/30代前半/男性)

昆虫を元にした仮面ライダー(現在は違いますが…)を始め、「バトルフィーバーJ」から「爆竜戦隊アバレンジャー」などに続く戦隊ヒーロー、「宇宙刑事ギャバン」に始まる「ロボコップ」テイストのメタルヒーローなど、デザイン的にもさまざまな表現が生まれてきました。そして、ここで忘れてはならないのが、子ども向けおもちゃとの関連。その武器による過剰なまでの装飾が、独特さや変なのにかっこいいという「見方によってはアリ」という不思議な印象を与えているのかもしれません。

■子どもすぎますね。子どもがターゲットなので仕方ないですが、もう少しかっこよくなってほしいです。(フィリピン/40代前半/女性)
■ちょっと子どもっぽく見えます。(スペイン/30代後半/男性)
■見た目が強そうではないので、かっこよくないと思います。(トルコ/30代前半/女性)
■あまり好きじゃないです。(イスラエル/30代後半/女性)
■あんまりです。(中国/20代後半/女性)
■思いません。(アメリカ/20代後半/男性)
■いいえ。(ブラジル/20代後半/男性)
■かっこ悪いと思う。(アルゼンチン/30代前半/男性)

否定的な回答群。子ども向け番組(アニメ・実写問わず)は海外の方々からは「子どもっぽい」と評されることが多いのですが、今回もその傾向が出ているようです。その中でも「見た目が強そうではない」は珍しい評価。こうしたヒーローのスーツは、完全に身体を覆うものよりも、部分的に人間を感じさせるデザインが多いからなのでしょうか。

例えば、仮面ライダーと一口に言っても、最近では「フォーゼ」は学園物、「ウィザード」は魔法使い、「鎧武」はダンサー、「ドライブ」は警察官で自動車に乗るヒーローと非常にさまざまな要素が取り入れられています。子どもの日常に身近な設定をした結果なのでしょうけど、デザイナーさんたちには難易度が上がる一方なのでは…という気がしてしまいます。