CA Technologiesは1月30日、DevOpsを支援するツールとして、アプリケーションのテストを効率化する「CA Service Virtualization 8.0.1」、およびアプリの本番リリースを支援する「CA Release Automation 5.5」を発表した。いずれも、2月3日に提供が開始される。

CA Release Automationはアプリの配布作業フローの設計、テスト、実行といった、アプリのリリース作業の自動化を行うための製品。

CA Release Automationとは

最新版のCA Release Automation 5.5では、チーム作業の強化、構成管理ツールとの連携強化を行っている。

チーム作業の強化では、共有コンポーネント、ダッシュボードとレポートなどの各機能が追加されている。

共有コンポーネントは、アプリケーションの配布ロジックを一度作れば、複数のアプリケーションでの共有できる機能。例えば、Tomcatアプリケーション・サーバーを使う複数のアプリケーションを保有している場合、配布のフローを共有コンポーネントとして作成し、それに関連するすべてのアプリケーションに適用することが可能となる。

共有コンポーネント

ダッシュボードとレポートでは、役割に応じたビューをサポートしたポータルを追加。これにより、デプロイ作業全体を俯瞰できる。

ダッシュボード

構成管理ツールとの連携強化では、「Chef」のクックブックやレシピといった設定ファイルをCA Release Automationと連携させることで、例えばすべてのサーバに対して正しいバージョンのTomcatサーバを構成しファイヤーウォールをオープンするといった、サーバの「ベースライン」を確立する。

「Chef」との連携

CA Service Virtualizationは、アプリケーションの機能テストと負荷テスト、接続する各種システムの振る舞いをシミュレーションし、リリース前のテスト作業を効率化するための製品。これを利用することで、開発が遅れている他システムや、すでに稼動済みの本番環境に接続することなく、結合テストが行える。

CA Service Virtualizationとは

最新のCA Service Virtualization 8.0.1では、シミュレーション機能の強化とモバイル・アプリケーション・テスト機能の強化を行っている。

シミュレーション機能の強化では、接続する相手のシステムの振る舞いをシミュレーションする仮想サービスが、実システムから新たなレスポンスや更新されたレスポンスを受け取ると、自動的に仮想サービスを更新する「学習モード」や、仮想サービスに記録されていないパターンデータが来た場合でも、AI機能を利用し、返すべきデータを作成する「オパークデータ・プロセッシング (不明瞭データ処理)」を追加。オパークデータ・プロセッシングでは、リクエストと対応するレスポンスを記録し、それらの相関関係からメッセージ構造を推察する。

シミュレーション機能の強化

モバイル・アプリケーション・テスト機能では、アプリのソースコードを分析して、ページやリンク、ジェスチャー、入力といったベクターに分解して、テストケースを自動生成するボイジャー機能や、iPhoneなどの新端末や新OSが出た場合(Androidも対応)、それに対するデバイスシミュレーター、エミュレーターをローカルネットワーク内で実現するモバイル・テスト・ラボを追加した。

CA Technologies DevOps 担当ディレクター 渡辺隆嗣氏

CA Technologies DevOps 担当ディレクター 渡辺隆嗣氏は、「私は昨年CAに入社し、多くのお客様にお会いしてきたが、DevOpsにはかなり手ごたえを感じている。DevOpsは弊社の注力領域で、とくにモバイルアプリ・エコノミーにフォーカスしていく。DevOpsは各社によって考え方が違うが、CAは結合テスト、性能テスト、受入テストの部分に注力している。DevOpsは日本ではまだまだこれからだが、日本ではツールに対する関心が高く、この部分が我々はお手伝いできる。今後、DevOpsの気運は高まってくるだろう」と述べた。