Mentor Graphicsは1月28日、ツール、データ、メソドロジの統合から最新技術の採用を促進するために、業界の主要パートナーであるAltera、PMC-Sierra、Samtec、eASICと共同で「HyperLynx Alliance」を設立したと発表した。

HyperLynx Allianceでは、高速設計および検証ツール群であるHyperLynxをクラウドベースの仮想ラボで活用することにより、Time-to-Productivityを短縮する。具体的には、パートナー企業のモデルとリファレンスデザインをHyperLynxツール群に取り込み、仮想ラボで理想的な設計メソドロジを提示することによって、高速プリント基板(PCB)のSerDes設計およびDDR設計の困難な課題を解決する。設計ツールの要求評価と設計ケースのセットアップに数日あるいは数週間を要することもあるが、仮想ラボはこのタスクに関連するエンジニアリング時間とコストを削減する。さらに、エンジニアが自分自身のメソドロジを考え出し、システム全体の性能向上のためにトレードオフを評価できるように、推奨設計プロセスを分かりやすく段階的にガイドする。

なお、仮想ラボには、完全なHyperLynx設計環境、パートナー企業のIBIS-AMIモデルやSパラメータモデル、リファレンスデザインに基づくテストケース、ステップバイステップの利用法ガイドが含まれている。無償で、時間を問わず利用可能となっており、どの仮想ラボでも作業を数時間で完了できる。仮想ラボでの成果物は、実設計と実装段階において再利用可能なリソースとなる。今回、Mentorは、Altera、PMC-Sierra、Samtec、eASICと仮想ラボを共同開発している。現在、Altera向けのHyperLynx Alliance仮想ラボは、登録ユーザーに無償で提供されている。PMC-Sierra、Samtec、eASIC向けの仮想ラボは、2015年初頭に提供開始の予定。すべての仮想ラボは、HTML5対応ブラウザからアクセスできる。