英語によるコミュニケーション能力を評価する世界共通の認定試験TOEICを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会は、25歳から39歳のビジネスパーソンを対象に行った「TOEIC テスト受験に関する意識・実態調査」の結果をこのほど公表した。

調査は、2014年12月5~11日の間、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県に住む25~39歳の公務員を含む会社員の男女400人を対象に実施。その結果、現在勤めている会社で英語を使用していると答えた人は16.5%。また、これらの人々が英語を使用してできる業務として挙げられたのは「文書・書類の作成」が65.1%で最も多く、次いで「社内でのやりとり(48.8%)、「海外に拠点のある会社とのメール」(43.9%)の順に多かった。

一方、「社会人になってからも英語学習を継続しておけば良かったと思うことがある」と回答した人は、「そう思う」「ややそう思う」を合わせて全体の56.3%。しかし、この回答に反して「社会人になってからも英語学習を続けている」と答えた人は全体の19.5%にとどまった。

また、回答者のうち30.8%が「TOEICテストを受けたことがある」と回答。このうち61.0%が「社会人になってから英語力が衰えた」と感じるとも回答している。

国際ビジネスコミュニケーション協会では、今回の調査結果を就職以降の TOEICの受験経験別に総括。英語力の衰えを感じる割合は、継続して受験していない人では83.7%だが、継続して受験している人では48.8%に留まり、TOEICを継続的に受験している人は英語力に比較的衰えを感じていないという傾向が明らかになった。

調査報告書の最後に、人間性脳科学研究所所長、武蔵野学院大学・大学院教授、北海道大学医学研究科元教授などを務める澤口俊之氏は「脳科学的に見て、英語学習の際に重要なことは、日本語を使う脳領域とは別に、英語を使う脳領域を作ることです。 大人になってから英語を学んだ人は、日本語と英語を使う際に、同じ脳領域を使っていることが多く、これが“日本語訛りの英語”の原因となっています。日本語と英語の脳領域を分けて使用することができるようになると、“日本語訛りの英語”ではなく、英語と日本語の使い分けができるようになります。英語学習を継続する中で、TOEICテストを受験して自分の実力を知ることも良いことです。 受験する人の多くがテストを受けるときに、点数の見込みを立てていると思いますが、これが脳科学的に非常に重要です。テストを受けて自分の実力を知り、予想した通りに点数が上がった場合、自分の頑張りを評価することになり、次のステップへと上がることができます」と脳科学から見た英語学習と継続の秘訣を語っている。