Teledyne LeCroyの日本法人であるテレダイン・レクロイ・ジャパンは1月29日、デジタルオシロスコープ「WaveSurfer 3000」シリーズの機能とデバッグ能力を強化したと発表した。

新たに追加されたCANおよびLINのシリアルデコード/トリガ機能は、プロトコル情報が物理層波形と時間相関を保ちながら同一画面で観測できるので、車載ネットワーク機器の製造/開発において、これまで得られなかった対象機器の深い理解を得ることができる。また、フレームIDや特定のデータパケット、リモートフレームやエラーフレームを確実に特定することができる。さらに、デコードされたプロトコル情報は、色分けされて、物理層信号波形の上に重ねて表示されるので、捕捉した信号波形の関連したフレームIDやステータスビット、メッセージデータなど、CANまたはLINの異なる情報を明確に視認することができる。

一方で、任意の波形信号を用いて設計の評価やデバッグを完遂することが重要な作業になってきてくる。新しく追加された任意波形発生機能を用いれば、オシロスコープで保存したり、PCで作成した波形データをCSVファイルを介して読み取り、内蔵ファンクションジェネレータからアナログ信号として出力できる。こうして読み取った任意波形信号は、「WaveSurfer」で設定、操作することができるので、「WaveSurfer」1台で実際の信号波形をその場で再現し、信号条件を変更しながら回路動作解析を行うことができる。なお、ファンクションジェネレータを搭載する「WaveSurfer3000」のユーザーは、新しいファームウェアを同社のWebサイトからダウンロードしてインストールすれば、同機能を無償で利用することができる。

この他、「WaveSurfer3000」のデジタルボルトメータ機能を用いると、測定ポイントの電圧レベルを簡単に計測/モニタすることができる。同機能では、例えオシロスコープのトリガがかかっていなくても、常にリアルタイムで電圧レベルを計測し画面に表示する。また、デジタルボルトメータの詳細な設定ができるように専用のメニューが用意されている。同機能は、「WaveSurfer3000」ユーザーなら、新しいファームウェアを同社のWebサイトからダウンロードしてインストールすれば、無償で利用することができる。