沖縄美ら海財団は1月21日、メガマウスザメの歯の化石を発見したと発表した。これまでアジアではほとんど発見例がなく、日本においては個人標本にもとづく記録しかないため、今回の発見はアジア地域で初めての公式記録となる。

この発見は同財団で研究を行っている富田 武照氏らの研究グループによるもので、日本古生物学会の英文学術誌「Paleontological Research」に論文が掲載される予定。

メガマウスザメは全長6mに達する大型のプランクトン食のサメで世界でも目撃例・捕獲例が少なく「幻のサメ」と言われている。

今回発見された歯の化石は、沖縄県の新生代新第三期の地層(約1000万年~300万年前)から発見された。この発見によりメガマウスザメの化石は大西洋、北西太平洋、北東太平洋から発見されたこととなり、現生種と同様、新生代期にはメガマウスザメが全世界的に分布していたことが判明した。

また、より古い時代の化石と比較したところ、現在のメガマウスザメに近い特徴を持っていることがわかり、化石の形の変遷を追うことで、メガマウスザメの進化の歴史を解明することにつながると期待される。

発見された歯の化石。大きさは1cmほど。

海洋博公園の「美ら海プラザ」内に展示されている全長5.4mのメガマウスザメの解剖標本