医系専門予備校「メディカルラボ」を運営するキョーイクはこのほど、全国の現役医師300名を対象に実施した「医学部受験と医師生活」に関する調査結果を発表した。調査期間は2014年11月25日~27日。

医師を志したのは「人を救う仕事に興味」を持ったから

「医師を志す動機となったもの」

調査ではまず、医師を志す動機について質問したところ、「人を救う仕事に興味を持って(33.0%)」が最多となり、次いで「親など、身近な医療関係者が働いている姿をみて(23.0%)」、「成績が良かったので (22.7%)」が2割強で続き、職業としての魅力や成績の良さが、医師を志す後押しとなったことがわかった。

また、「生物など、学問から興味を持って(17.7%)」、「(親や教師から)助言・アドバイスがあって(17.7%)」、「病気や怪我、死などを身近に経験して(14.7%)」、「収入面など、待遇に惹かれて(14.3%)」といった動機も1割台あったほか、少数ながら、ブラックジャックなどの「医療マンガをみて(5.0%)」と、漫画作品から影響を受けたという人も見受けられた。

現役医師9割超が、労働環境改善の必要性を実感

「"医師の不足・偏在"と呼ばれる状況について」

次に、"医師の不足・偏在"と呼ばれる状況について、どの程度危機感を抱いているのか調査したところ、「医師の不足感・偏在感を感じるか」という質問に対して、「非常に感じる(34.0%)」「やや感じる(49.3%)」と、83.3%の人が「感じる」と回答した。また、"医師不足は深刻な課題だ"という問題意識についても、70.3%が「感じる」とのこと。医師の不在・偏在問題について、実感や危機感を抱いている人が多くいることが明らかとなった。

では、医師の不足・偏在を改善するために、労働環境の改善や整備が必要だと感じている医師はどのくらいいるのだろうか。「"医師の労働環境改善"の必要性」を問う質問に対して、「感じる」と回答した人は91.7%にのぼった。また、「"女性医師が働きやすい環境整備"の必要性(出産後に復職しやすい環境づくりなど)」では82.0%が「感じる」とのこと。特に、女性医師は90.7%と非常に高く、男性医師の81.0%を10%近く上回った。

オフは、旅行やおいしいものを食べてリフレッシュ!

「休日、リフレッシュ(ストレス発散や気分転換)のために行なっていること」

医師の「オフの過ごし方」について尋ねたところ、「旅行に出かける(50.3%)」や「おいしいものを食べる(48.0%)」という人がそれぞれ5割近くとなり、日頃のストレス発散や気分転換のために、休日に旅行やおいしいものを食べたりしている医師が多いことがわかった。

女性医師の43.7%が、結婚後の復職に不安

「医師の結婚事情について」

次に、医師の結婚事情について調べた結果、「医師の結婚相手探しは苦労することが多い」と感じている人は31.7%となり、「そう思わない(68.3%)」と考えている方が多数派であることが判明。また、医師同士で結婚したカップルは離婚しやすいと思うか聞いたところ、「そう思う(55.4%)」「そう思わない(44.6%)」と、「そう思う」派がやや多い結果に。そのせいもあってか、「医師以外の人と結婚をしたい(したかった)」人は66.6%と3人に2人の割合となった。

続いて、「結婚相手には、専業主婦(主夫)になって欲しい(欲しかった)か」と質問したところ、およそ半数が「そう思う(48.3%)」と回答した。しかし、20代・30代の医師では、「そう思う」が26.6%に対し、「そう思わない」が73.3%と圧倒的に多く、若い医師はそのような希望が薄いことがわかった。さらに、結婚後、医師生活を続けられるか不安(不安だった)と思っている人は全体で15.6%だったが、女性医師に限って見てみると43.7%という結果に。女性医師の多くが、出産などで一度職場を離れてしまうと、なかなか復職できないイメージを抱いているようだ。(「メディカルラボ」調べ)