今年も残すところあとわずか。本チャンネルで取り上げたニュースのうち、特にクリエイターからの注目度が高かったものをピックアップし、あらためて2014年を振り返る。

1月

●米AppleがMac誕生30周年スペシャルサイトに真鍋大度や高木正勝が登場

米Appleが、同社のパソコン「Macintosh(Mac)」が30周年を迎えたことを記念し、スペシャルサイト「Thirty Years of Mac」を公開。同サイトでは、Macが歩んできた30年の道のりを、それを用いて活動を行ってきた著名人と並行して紹介する年表「Mac Timeline」を公開している。日本の著名人では、Perfumeの舞台演出などを手がけてきたライゾマティクスのメディアアーティスト・真鍋大度がトップページの冒頭に登場するほか、VRや3Dプリンタを医療現場で活用したことで知られる医師の杉本真樹、音楽家の高木正勝が登場。

真鍋大度や高木正勝が登場! 米AppleがMac誕生30周年スペシャルサイトを公開

●アドビがPhotoshopに3Dプリント機能を追加

アドビ システムズが、画像編集ソフト「Adobe Photoshop CC」に3Dプリント機能を追加。同機能を追加したことにより、クリエイターは使い慣れたPhotoshopツールを使って、初めから3Dでデザインするか、あるいは既存の3Dコンテンツを改良し、3Dプリンタで出力可能な3Dモデルに仕上げることができる。

「Photoshop」のみで3Dモデルの制作から出力まで可能に -アドビ

2月

●「LINE Creators Market」の開設が発表

LINEが、新サービス発表会「LINE Showcase 2014 Feb.」において、クリエイターがLINE内で使えるスタンプの制作・販売を行うことができるオープンプラットフォーム「LINE Creators Market」の開設を発表した。

同サービスで用いるスタンプについては、それまで同社オリジナルキャラクターや有名キャラクターのスタンプ、そして企業によるスポンサードスタンプのみが扱われてきたが、このプラットフォームによりその枠を越え、クリエイターたちがLINEユーザーに向けてスタンプを制作・販売する機会を得ることができ、当初ヒットしたスタンプの販売額が1000万円を超えるなど、その収益性でも話題となった。

LINEスタンプをクリエイターが制作・販売できる「LINE Creators Market」

●ウェアラブルな"スマートおもちゃ"「Moff」が発表

Moffが、ユーザーが手にした物すべてがおもちゃに変わるウェアラブルな"スマートおもちゃ"「Moff」を発表。手首に装着し、スマートフォンやタブレットとワイヤレスで連携して使用するもの。ユーザーの手の動きに連動し、アプリ側が音を使った遊びの体験を実現する。同デバイスはスペイン・バルセロナで開催された携帯通信関連見本市「MWC 2014」で展示されたほか、国内外のメディアでも多く取り上げられた。

モノや動きをおもちゃに変えるウェアラブル端末「Moff」-iOS機器と連携

3月

●『笑っていいとも!』が終了 あのロゴデザインの制作背景

30年以上の長きにわたりお昼の顔として放送されてきた『森田一義アワー 笑っていいとも!』がグランドフィナーレを迎えた。クリエイティブチャンネルでは、この長寿番組のロゴのデザインについて、フジテレビジョンの番組広報担当者に話を聞いた。

最終回間近! 長寿番組『笑っていいとも!』のロゴはどうやって作られたのか -広報さんに聞いてみた

●著名デザイナー マーク・ニューソン氏が日本刀を制作 WOWがプロデュース

ビジュアルデザインスタジオWOWは、世界的に著名なプロダクトデザイナーであるマーク・ニューソンが手がけた日本刀のオリジナルアートピース「aikuchi(アイクチ)」を発表。これまで数々のビジュアル作品を手がけてきたWOWが、初めて企画から総合的にプロダクトのプロデュースを行った作品。同作品を展示する展示会「WOW × Marc Newson "aikuchi exhibition"」も開催された。

東京都・新橋でデザイナーのマーク・ニューソンが手がけた日本刀を展示

4月

●3Dプリンタなどものづくりのプラットフォームサイト「DMM.make」公開

DMM.comが、ものづくりに関係する「人」と「情報」、「ツール」が集まる新Webサイト「DMM.make」を公開。ものづくりの裏側や情報、ノウハウ、考え方などを、makerたちが直接シェアするWebメディアの機能と、3Dプリンタをはじめとしたツールを使ってものづくりができるWebサービスを兼ね備えた、ものづくりのためのプラットフォームとなっている。

3Dプリンタをはじめとした"ものづくり"プラットフォーム「DMM.make」公開

●ピースオブケイクがクリエイター向けのWebサービス「note」をリリース

デジタルコンテンツ配信プラットフォーム「cakes」を運営するピースオブケイクが、クリエイター向けのWebサービス「note」をリリース。個人クリエイターを対象とした、文章や写真、イラスト、音楽、映像などのコンテンツを発表するためのWebサービス。各種コンテンツについて、無料公開だけでなく、クリエイター自身が100円~1万円の範囲内で価格を設定し、販売することもできる。

クリエイターのためのWebサービス「note」公開-文章、絵、音楽等を販売可能

5月

●YouTubeがクリエイター向け新機能を発表

米YouTubeが、今後対応する予定となっている新たなクリエイター向けの機能に関して、公式ブログ「YouTube Creater Blog」にて発表。新機能は、クリエイター専用のモバイルアプリ、YouTubeで作品を公開しているクリエイターに対しファンが直接資金を供給できるようにする機能、YouTubeに投稿された動画コンテンツに対して多言語によるキャプション・字幕の作成をクラウドソーシングの手法で実現する試みだ。

そのほか、カバー曲の投稿者が権利者と収益を分け合うことができる機能や、コメント管理機能の刷新、YouTubeコンテンツの制作に取り組もうとするクリエイターの疑問に答えるコンテンツ「Creater Academy」の拡充なども含まれる。

米YouTube、クリエイター専用アプリや収益化システムなど今後の計画を公開

●ユニクロがUTをデザインできるスマホアプリ「UTme!」をリリース

ユニクロが、ユーザーがオリジナルのTシャツをデザインできるiOS/Androidアプリ「UTme!」をリリース。気に入ったデザインを作成したら、アプリからの注文でTシャツにプリントすることができ、注文から2~5日で完成品が配送される。そのほか、作成したデザインをSNSでシェアする機能も搭載。オリジナルTシャツの作成サービスに衣料品大手のユニクロが参入したことで話題を呼んだ。

ユニクロ、UTを自分でデザインできるスマホアプリ「UTme!」リリース

6月

●カンヌライオンズの次世代クリエイター向けコンペで日本代表が最高賞を獲得

「第61回カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」の「ヤングライオンズ・コンペティション」で、電通の代表がプリント部門で、アサツーディ・ケイがPR部門でそれぞれ最高賞のゴールドを受賞。ゲッティ イメージズから提供されるコンテンツを用いて、会場で与えられたテーマに沿った広告作品を24時間という制限時間の中で制作し、そのアイデアや技術を競い合った。

カンヌライオンズの次世代クリエイター向けコンペで日本代表が最高賞を獲得

●アドビ システムズがフォトグラファー向けの新サブスクリプションサービスを開始

アドビ システムズが、フォトグラファー向けの新しいサブスクリプションサービス「Creative Cloud フォトグラフィプラン」の提供を開始。「Photoshop CC」と「Photoshop Lightroom 5」というふたつのデスクトップ用アプリケーションに加え、Lightroomと連携して写真の加工をiOSデバイス上で行える「Adobe Lightroom for iPhone」(iPhone用)と「Adobe Lightroom」(iPad用)、さらにiPad向けアプリとして新たに登場した「Photoshop Mix」が利用可能。同社のサブスクリプションプランの中では手頃な月額980円となっており、フォトグラファーや写真愛好家のみならず、画像加工をしたいと考える多くの人々の間で話題となった。

アドビ、月額980円でPhotoshop等が使える「フォトグラフィプラン」を発表

下半期のトピックについては「後編」でお伝えする。