今年も猛威をふるうインフルエンザの季節が到来した。アミノアップ化学では、今年7月に札幌市で開催された「第22回統合医療機能性食品国際会議(ICNIM)」において、ミシガン州立大学の研究チームから『マウスモデルにおける免疫機能に関する AHCC投与の効果』と題したレポートを発表している。

AHCC(Active Hexose Correlated Compound:活性化糖類関連化合物)とは、シイタケ属に属する担子菌の菌糸体培養液から抽出された α-グルカンに富んだ植物性多糖体の混合物。 医薬品ではなく、いわゆる健康食品として、開発国の日本のみならずヨーロッパや、アメリカ、アジア、オセアニアなど広範囲で販売され、現在では統合医療の一手段としても取り入れられているものだ。

実験では、AHCCを摂取したマウスモデルと摂取していないマウスモデルに分け、インフルエンザ感染の初期の細胞数の変化を検証。AHCCを摂取したマウスでは、NK細胞数が改善する可能性があるデータを得ることに成功した。この結果は、AHCCにはNK細胞数を増やし、ヒトの免疫を高める効果がある可能性があることを示唆してると報告されている。

一方、 2009年から2010年にかけて行われたのが、AHCC投与によるインフルエンザワクチンへの免疫応答の変化を、健常人30人でランダムに比較した試験だ。予防接種前と予防接種3週後に採血を行い、予防接種直後から AHCCを1日あたり3gを投与したところ、AHCC投与により、投与していない非投与群と比較して、NKT細胞とCD8T細胞が増加した傾向がみられたという。

さらに、予防接種3週後の抗体産生の分析では、AHCC投与群ではB型インフルエンザに対する感染抗体価が有意に向上したものの、AHCC非投与群では有意差はみられなかったとのこと。以上の結果から、AHCC非投与群と比較して、ある種のリンパ球の比率とB型インフルエンザに対する感染抗体価がAHCC摂取により向上することが判明している。

このような実験結果を踏まえ、アミノアップ化学では、AHCC非投与群と比較して、ある種のリンパ球の比率とB型インフルエンザに対する感染抗体価がAHCC摂取により向上することがわかったと結論づけている。

感染症であるインフルエンザは、ウイルスに感染することによりウイルス疾患が発症するのがパターンだ。感染経路は咳やくしゃみなどによる飛沫感染が主要因とされているが、非常に感染しやすいことと、免疫力の低下などにより重症化する危険性があることから、強い警戒が求められる。

また現在、インフルエンザ対策の主流はワクチン接種だが、ワクチンは重症化を予防する効果は期待できるものの、感染そのものを完全に防ぐ効果はないとされており、当該試験でも有害事象(副作用)が確認されなかったAHCCは、インフルエンザが流行する冬季の免疫力向上やインフルエンザの重症化の予防などに今後役立つことが期待される。