東芝は12月18日、鉄道車両の減速時に発生する回生電力を貯蔵し、加速時に放電することで回生電力を有効活用できる回生電力貯蔵装置を東武鉄道に納入したと発表した。同装置は12月22日から稼働する予定。

運河駅構内に導入する回生電力貯蔵装置

今回納入された装置は、東武アーバンパークラインの運河駅構内に設置され、高い安全性、広いSOCレンジ、低温動作といった特徴を持つ同社のリチウムイオン二次電池「SCiB」を採用している。また、一般的な回生電力貯蔵装置に比べて約10倍のバッテリー容量であるとともに、「SCiB」の広いSOCレンジの特性を生かした独自の充放電制御技術の採用により効率的な充放電を実現する。

回生電力貯蔵装置の仕組み

東武アーバンパークラインは、2013年度から電力回生ブレーキを搭載した省エネ車両(回生車両)である新型車両60000系などの運転を開始し、2014年度末には同線を運行する車両の過半数が回生車両となるという。

東武アーバンパークライン路線図

東武アーバンパークラインに導入が進む省エネ車両(左が新型車量60000系、右が10000系)