ハイテクベンチャーの集う街カリフォルニア州・サンフランシスコのシリコンバレーを抱える米国には、"イノベーション"に敏感な企業が多い。その中でも最も「インスパイアされる企業」はどこだろうか。

Forbesが紹介する調査結果によると、今年度は「Tesla」が初のトップに輝いた。起業家としても尊敬されているElon Musk氏が率いるTeslaは電気自動車のイメージを変えただけでなく、自社のイノベーションをオープンソースにするなど、これまでの自動車ビジネスを変えようとしている。ほかにはどのような企業がランクインしたのか見ていこう。

調査はForbesがPerformance Insipredと共同で行った。オンラインアンケートを基にする年次調査で、今年で5年目となる。

Tesla

1位はTesla。昨年は上位20に入っていなかったことを考えると、まさに大躍進といえる。

日本でもこの秋より「Model S」の納車を開始したところで、中国進出など拡大戦略も進めている。少し前であれば「Prius」がセレブの人気となっていたが、ここのところは人気がTeslaに移っており、俳優のLeonardo DiCaprio氏やAshton Kutcher氏など多数が愛用しているといわれている。

Performance InspiredのCEOは、人々がTeslaに注目した大きな要因として特許のオープンソース化と太陽光発電への投資の2つを挙げている。Teslaは"スーパーチャージャー"と呼ぶ無料の充電スポットを米国と欧州、アジアに合計約280箇所を展開している。

TJ's

2位はスーパーのTrader Joe’s(TJ’s)。こちらも昨年は圏外であったが、一気に2位と躍進。

ロサンゼルスを本拠地としており、西海岸を中心に39州で418ショップを持つ。有機食品とオリジナル製品が特徴だが、ポテトチップスなどジャンクフードも揃える。調査では「健康へのコミットを理解してくれる店」という評価が多かったとのこと。

TJ’sのスタッフは「グローサリーショップはおもしろくなければ」という哲学の下でハワイアンを着用しているが、製品への知識を持っており適確なアドバイスをくれることが好感につながっているとも分析している。

Target

3位も小売りでTargetがランクインした。昨年5位からのランクアップで、昨年12月に大きく報じられたデータ漏洩にも関わらず順位を上げた。

意外にも、データ漏洩の一件で謝罪した同社の姿勢が好感につながったとのこと。「一般消費者はデータの所有とそれに対する責任感と透明性の姿勢を評価している」とPerformance InspiredのCEOはコメントしている。

また、ほかにも高得点につながった要因があり、従業員による慈善活動プログラムも上げている。なお、小売り最大手のWalmartは昨年3位から圏外へと落ちてしまった。

TOMS Shoes

4位はTOMS Shoes。スリッポンが人気のシューズブランドで、靴を必要としている子ども達に靴を供給するという慈善活動とも連携している。昨年の10位からのランクアップだ。

GoogleやFacebookは?

その他の順位は以下の通り。

  1. Costco
  2. Ford
  3. Click-Fil-A
  4. Google
  5. Microsoft
  6. Amazon
  7. Goodwill Industries
  8. Whole Foods
  9. Johnson & Johnson
  10. Nike
  11. Apple
  12. Coca-Cola
  13. Kohl’s
  14. Disney
  15. Starbucks
  16. McDonald’s

ハイテク系企業は軒並みランクダウンしている。Googleは昨年7位から8位に、Microsoftは1位から9位に落ち、Amazonも8位から10位に、Appleは12位から15位に下げた。

FacebookやTwitterについては昨年と今年の両方ともにランクインしていない。