NECは12月9日、道路橋などの構造物の内部劣化状態をカメラで撮影した表面映像から、計測・推定できる技術を開発したと発表した。

同技術は、独自の超解像技術、映像・画像鮮明化技術、および4K超高精細映像高圧縮技術の開発などで培った映像・画像処理のノウハウを応用して実現したものである。具体的には、映像中の物体の微小な動き(振動)を高速かつ高精度に検出できる被写体振動計測アルゴリズムを開発した。同技術は、微小な振動の解析に必要な"カメラ画素数の100倍の解像度での動き解析"において、データ量が多く、従来時間がかかっていた解析処理を、映像圧縮などで培ったノウハウを用いて高速化した。これにより、高いフレームレートで撮影された映像の高速解析を可能とし、構造物表面の多数点の微小振動の同時計測を実現した。さらに、亀裂、剥離、空洞など、内部劣化が生じている箇所の振動パターンの違いを発見・検出できる独自の振動相関解析アルゴリズムを開発した。これにより、目視で発見できない構造物内部の劣化状態を高精度に推定できるようになったとしている。

これらの技術により、カメラ映像から物体内部の劣化状態を推定できるため、点検による設備の一時停止など事業機会損失の低減が望まれる工場・プラント内の大型設備や、道路橋などの構造物インフラに加え、他の分野への応用も期待しているという。今後、同技術の実証を進め2015年度中の実用化を目指すとコメントしている。