Keysight Technologiesの日本法人であるキーサイト・テクノロジーは11月27日、EDAソフトウェア「EEsof」の第5世代(5G)ベースバンド解析ライブラリ「W1906BEL」を発表した。

同ライブラリは、リファレンス信号処理IPを備えており、システムおよびベースバンド物理層(PHY)設計の生産性を飛躍的に向上することができる。具体的には、5Gの候補技術となるAdvanced MIMOやビームフォーミング信号処理を含む直交/非直交マルチキャリア通信システムのさまざまな波形をサポートしている他、トランスミッタ/リファレンスレシーバのモデリング例が提供され、それらを簡単に再デザインして、候補となる各規格を比較するための最適な性能を備えている。

さらに、ソースコード、モデル、サブ回路、シミュレーション例、インフラコンポーネントから構成されており、エレクトロニックシステムレベルシミュレーションプラットフォーム「SystemVue」を使用した高度なデジタル変復調の迅速な開発・検証に対応している。このソースコードにより、アルゴリズムに関する信頼性が確保されるという。そして、システム設計、アルゴリズム開発、ベースバンドハードウェアのデザインでは、最終製品に合わせてブロックやサブシステムをすばやく置換/変更可能な独立した文書化機能を備えたリファレンスライブラリとして使用できる。加えて、「SystemVue」の統合シミュレーション環境を使用すると、通信のPHY信号処理デザインを動的なリンクレベルのシナリオを使って調査、実装、検証することができる。

なお、同社の「W1465BP SystemVue System Architect」に、「W1906BEL」を追加すると、5G候補波形技術用の高度なデジタル信号処理ブロック、エンドツーエンド物理層送受信シミュレーションモデル、および空間多重化、空間-時間コード化、複数の検出方式などのMIMOチャネル用シグナリング方式、さらにRF回路デザインを確認するための基準波形生成といった機能が得られるとしている。

5Gベースバンド解析ライブラリ「W1906BEL」のソフトウェア画面