クレイア・コンサルティングはこのほど、「60代シニア社員」について実施した調査結果について明らかにした。同調査は、6月28日~29日にかけて、従業員数300名以上の大企業に勤めている正社員計1,600名を対象に実施したもの。

シニア社員は、明確に伝えなくても、過去の経験から適切に判断してくれると思うか

まず、60代以上のシニア社員について、周囲からどのように認識されているのか調査した。「明確に伝えなくても、過去の経験から適切に判断してくれる」は38.4%、「与えられた仕事は着実に遂行してくれる」は46.3%が「そう思う」と回答している。「気軽に話しかけたり依頼しにくい雰囲気がある」は否定回答のほうが多く、話しやすい雰囲気を持っていることがわかる。

「割り切って仕事をしている印象がある」という設問に対しては、54.9%が「そう思う」と回答した。また、「過去の情報や経験に固執するところがある」(34.2%)、「指示されたこと以上のことはやろうとしない印象がある」(41.5%)、「仕事のゴールや進め方を勝手に判断してしまうところがある」(32.9%)は、否定回答よりも多く、シニア社員を扱いかねている一面もあるようだ。

シニア社員は、割り切って仕事をしている印象があると思うか

前項で「割り切って仕事をしている印象がある」という肯定意見が半数を超えたが、シニア社員に対して「無理に頑張らなくてもいいと思うか」と尋ねたところ、40.7%が「はい」と回答した。「いいえ」(19.3%)のおよそ倍の回答となっており、シニア社員自身、仕事を割り切って行おうとうする層が、そうでない層に比べて多く存在することがわかる。

「割り切る」シニア社員が発生してしまう背景として、同社は60代のマネジメントの弱体化を挙げている。シニア社員に対しては、それまでの人事マネジメントが従来ほどは徹底されず、公正な評価の実施や評価結果の処遇への反映がなされていない。そのため、シニア社員は、貢献実感や希望を持てず、働きがいも十分には感じられていないようだ。

公正な評価や上司における構想の欠如でモチベーションが保てない結果に

シニアの働きがいを高めるためには、「公正な評価と処遇への反映」や、「仕事への責任と負荷の付与」、「適材適所の実現」など、能力を伸長させていく人事マネジメントが求められている。