サイレックス・テクノロジーは11月17日、USBデバイスサーバのバリューモデル「DS-510」を発表した。

同製品は、2つのUSBポートを持つギガビットEthernet対応のUSBデバイスサーバで、現行モデル「SX-DS-4000U2」と同等の機能をさらに低価格で実現した製品である。USBデバイスサーバは、ネットワークインタフェースを持たないUSB機器をネットワーク経由で仮想的に接続することで、USB機器の共有利用や遠隔利用を可能にするものである。今回、同社では、プリンタ、MFP、スキャナ、業務用端末などの高い実績を持つUSB機器との接続のみならず、新たな利用環境への対応も視野に入れることで、1500万ユーザー以上に利用されているUSB Virtual Link Technologyの普及をさらに促進させることを目指しているという。

例えば、金融機関において、シンクライアント環境下でUSB機器を利用するというニーズが近年増加している。Citrixの「XenDesktop」や「XenApp」、VMWareの「ESX Server」などを利用したバーチャル環境でUSB機器を使う場合、クライアントデバイスに接続してサーバのリダイレクトソフトを使用するか、もしくはサーバルーム内でバーチャルサーバに直接接続する必要がある。しかし、イメージスキャナ、インカム、現金出金機、カードリーダなどリダイレクトソフトでうまく動作しないUSB機器が数多く存在しているのが実情である。こういった状況に対し、USBデバイスサーバを利用すれば、さまざまなUSB機器をネットワーク経由で仮想的にバーチャルサーバに接続できるため、リダイレクトソフトとの互換性問題は解消され、サーバルーム内にUSB機器を設置する必要もなくなるという。

また、同社では、同製品で使われているハードウェアプラットフォームやソフトウェア資産を利用した、業務用USB機器に対する組み込みビジネスも積極的に展開していく。USB機器メーカーが製品をネットワーク対応する場合、USB機器のドライバやアプリケーションソフトを新たにネットワーク対応用に開発する必要がある。しかし、ニッチな用途に使われるUSB機器や、間近にせまった入札案件に対応する場合など、そうした開発費用や期間を許容できないケースが数多く見受けられる。同製品に使われているハードウェアプラットフォームとソフトウェア資産を使えば、既存のドライバやアプリケーションをそのままに対象のUSB機器をネットワーク化することができる。この他、金融機関やKIOSK端末など、強固な通信セキュリティへの対応が求められる利用シーンにおいては、SSLなどの暗号機能を搭載するといったカスタマイズにも対応するとしている。

なお、価格は9400円(税抜き)。11月19日より発売する。また、アプリケーションとUSB仮想接続を連携させるためのクライアント用SDK(Windows版)は、無償で同社のWebサイトからダウンロードできる。

USBデバイスサーバ「DS-510」