――話は変わりますが、現在、ルミネtheよしもとでロザンさんが観客動員数、人気共にナンバーワンだという話を聞きました。

「誰が言ってるんですか? 嬉しいですけど、たぶん劇場の支配人に僕らがハマったんでしょう」

宇治原「お客さんじゃなくてか(笑)」

「ただ、僕らNGK(なんばグランド花月)にも立たせてもらってるんですが、ルミネで若い子たちに向けてネタをやってると無意識のうちにそっちに寄ってしまい、同じことをNGKでやってもウケなかったんです。そこから『NGKでウケたい』と思うようになってネタを考えていったら、自然とファンの方が増えてくれたのかもしれませんね」

――ネタ番組が少ない今、テレビでロザンのネタを見る機会も少ないですが、二人の漫才やコントは、いたずらに人を貶めない上品な印象があります。

「まぁ、育ちがいいですから(笑)。でも、よく言われます。『安心して見れる』とか。ただ、ネタは僕が作っているんですけど、宇治原が笑うかどうかが基準になっているんですよ。そう考えるとたぶん、宇治原さんのお育ちがいいんでしょうね(笑)」

宇治原「悪くは…ないですよ(笑)」

「宇治原が笑わない変な下ネタは入れないとか、そういうのもあるでしょうね」

――二人の信頼関係がネタにも反映されているということでしょうか。

宇治原「僕はもともと彼としゃべるのが面白いと思ったから一緒にコンビをやろうと決めたわけで、そこが原点というか。この仕事に就いたのも、いくつか並んでいた選択肢の一つだっただけで、別段ものすごい決断をしたわけではないんですよ」

「単純に気が合っただけやと思うんですけど、僕の場合、府大を卒業するよりも稼げる仕事は何か考えたら芸人だったと」

宇治原「そのデータ、どこ?」

――仲の良さを感じさせるお二人ですが、あえて相方に「ここを直して欲しい」という要望はありますか?

宇治原「直して欲しいとは思わないですけど、彼はめちゃくちゃたまにワッフル食べたりとかするんですよ(笑)。普段甘いものまったく食べないのに。こないだルミネのエスカレーターで生のワッフル1個手づかみで持って上がってくるの見た時、何でだろうと」

「そういう可愛らしい面もあるということで」

宇治原「38歳って聞いたらあれ、変人ですよ」

「そういう宇治原さんも年に一回ですけど『あれ? 死んだんですか?』っていうトチリ(遅刻)方をする時があるんですよね(笑)。『あれ? この方、いなくなったんですか?』っていう(笑)。普段、遅刻することなんてめったにないのに、携帯に何度も電話してもまったく出ないんですよ。最初の頃は親に電話しようかと思いました」

宇治原「深酒して寝過ごしたとか、理由はいろいろあって。前は僕も焦ってましたけど、今は『あ、菅、そんなに怒らへんのや』と安心しています(笑)」

――もし、二人が出会ってなかったとしたら、どんな道を歩んでいたでしょう。

「芸人はやってないですね」

宇治原「僕もやってないですね」

「僕は中学校で数学の先生やってたかもしれないです」

宇治原「弁護士はちょっと考えたかもしれないですね」

――これからの個人としての目標、ロザンとしての目標をお聞かせ下さい。

「僕はこの本がNHKとかで映像化されれば、またお金が入って…(笑)」

宇治原「コンビとしては全体のレベルアップを図っていきたいですね」

「めちゃくちゃおもんない(笑)」

宇治原「わりと今、いろいろやらせてもらってるので、新しく『これがしたい!』というのはとりわけないですね。でも、ラジオはやりたいです」

「もちろん僕らの芯は舞台ですし、吉本の良さって劇場の多さだと思うので、そこはしっかり守っていきたいと思いますね」

――では最後に、将来的にお二人が父親になった時、子どもにどんなことを教えたいですか?

「とりあえず『芸人になりたい』言うたらどつき回したろう思いますけどね(笑)。でも、宇治原さんの子どもが『芸人になりたい』って言ったら、腹抱えて笑います(笑)」

宇治原「絶対嫌やわ~。僕は気にせんとこうと思うでしょうけど、子どもの成績、気になるでしょうね…」

「宇治原さんの子どもは中学歴やと思う(笑)」

宇治原「勉強は、聞かれたら教えるでしょうね。でも、僕が親に『勉強しろ』とは言われてないので、出来るだけ言いたくはないです。ただ『勉強が楽しいんだぞ』っていうことは教えてあげたいです」

――もし、宇治原さんのお子さんが「芸人になりたい」と言ったら…。

宇治原「菅さん呼んでどついてもらいます(笑)」

「いや、僕は『向いてると思うわ~、思うてたんよ、ずっと』って言います」

宇治原「最低や(笑)」