Mozillaは11月10日(現地時間)、開発向けに設計したFirefoxブラウザ「Firefox Developer Edition」を公開した。バージョン番号は35.0a2。

FirefoxはオープンソースのWebブラウザであり、プロプリエタリなエコシステムの影響から独立したブラウザである。2004年11月9日にFirefox 1.0が登場してから10周年を迎えたタイミングで、MozillaはWebのためのブラウザとしてWeb開発者をサポートし、Webの進化を加速させるためにデベロッパ版を用意した。

「多くの人が楽しめるコンテンツの作成や異なるアプリストアへの対応のために、たくさんの閉じられた開発環境を用いなければならないのは、開発者が抱える大きな問題の1つだ。異なるプラットフォームやブラウザを行き来することで開発者のプロダクティビティが下がり、フラストレーションをためている」(Mozilla開発ツール担当ディレクターのDave Camp氏)

Firefox Developer Editionには、ダーク基調の開発者ツール・テーマが採用されている。

Firefox Developer Editionは、Webブラウザであり、パワフルなオーサリングツールである。開発ワークフローの無駄をなくし、能率的に、そしてプラットフォームやモバイル/デスクトップの違いを超えて開発に取り組めるように「Valence (旧Firefox Tools Adapter)」と「WebIDE」が統合されている。ValenceはFirefox開発ツールを他の主要なブラウザエンジンに接続し、複数のブラウザやデバイスに渡る開発やデバッグを実現する。WebIDEは、ブラウザでWebアプリの開発・デプロイ・デバッグを可能にする。また、以下のようなツールを備える。

  • Responsive Design Mode:ブラウザのウインドウズサイズを変えることなく、異なるスクリーンサイズでWebサイトやWebアプリがどのように表示されるかを確認。
  • Page Inspector:WebページのHTMLとCSSを調査し、変更を行うためのインスペクタ。
  • Web Console:Webページに関連してログされた情報を確認し、JavaScript を用いてWebページと対話可能。
  • JavaScript Debugger:バグを特定するための、JavaScriptコードのステップ実行、調査または変更が可能。
  • Network Monitor:すべてのネットワーク要求を表示、各要求にかかった時間や要求の詳細情報を確認。
  • Style Editor:Webページに関するCSSスタイルを表示・編集。
  • Web Audio Editor:リアルタイムでWeb Audio APIを検査しインタラクトできる。