スイスのミドクラは11月3日(現地時間)、Infrastructure as a Service(IaaS)に適したネットワーク仮想化ソフト「MidoNet」のソースコードを無償で提供し、自由に入手・改変が可能なオープンソースソフトウェアとすると発表した。

MidoNetは、ネットワーク処理をエッジ(コンピュートノード)で処理するアーキテクチャを特徴としており、導入や運用が簡易で拡張性や耐障害性にすぐれている。また、他のネットワークサービスとの間にスイッチ、ルーター、DHCP、NAT、ロードバランサー、ファイアウォールを作成することができ、IaaSクラウド上でL2-L4の仮想分散ネットワークサービスを実現する。

同社の共同創業者兼CEO/CTOであるダン・ミハイ・ドミトリウ氏は、「現在、OpenStack Neutronのコミュニティは、ネットワークベンダーが各社のプロプライエタリ製品を販売するために多数のプラグインがバラバラに存在しており、デフォルトとなるべきオープンソースに力を入れることができていない。結果、オープンソースのOpenStack Neutronは商用利用に耐えるレベルに至っていない。ミドクラはMidoNetをオープンソース化し、コミュニティドリブンのプロジェクトとすることでこの問題を解決する」と語っている。

今回の発表をもって、MidoNetのすべてのコードはApache 2.0に準じてオープンになり、ユーザーはMidoNetを自由に利活用、ディストリビュートし、さらには開発に貢献できるようになる。

同社は今後もMidoNetの商用版を「Midokura Enterprise MidoNet (MEM)」という名称の下、サポートや管理ツールを付加して提供する。

MidoNetのコードはコミュニティサイトから無償でダウンロードできる。

MidoNetのコミュニティサイト「http://www.midonet.org/」