Analog Devices(ADI)は、業界最高クラスの精度かつ最高クラスの速度を実現した磁気角度センサ「ADA4571」を発表した。

同製品は、競合製品の角度センサ比で4倍高精度となる0.5°maxを実現しつつ、60%の高速化ならびに40%の低消費電力化を実現しており、モーター位置を直接測定することを可能としている。これにより、ブラシレスDC(BLDC)モーターの設計者はノイズを低減し、平滑性とトルク性能を最適化して、より厳しい環境やノイズ、さらにエネルギー要件に対応した設計を実現することが可能になるという。

また、自動車用認証を取得済みで、カスタム・ミクスド・シグナル・コンディショニングICや異方性磁気抵抗(AMR)技術に基づくセンシング素子を集積しているため、エレクトリックパワー・アシスト・ステアリングやブレーキ、アクティブ・サスペンション、安定性制御などの車載システムを含む広範囲のモーター・アプリケーションにおいて、直接接触なくかつ摩耗のない角度測定を実現することが可能だという。

さらに、AMRと高精度シグナル・コンディショニング技術も集積しているため、ライフタイムや熱影響、あるいは機械的ストレスによる磁石のドリフトとは関係なく動作でき、過酷な環境においても高精度の読み出しを実現することが可能だ。

電源電圧2.7Vから5.5Vで動作し、消費電流は6.5mA。低消費電力のスリープ・モードを搭載することで、アプリケーションの用途を遠隔駆動システムにまで拡げることが可能なほか、高磁場条件下でもダメージを受けず、ヒステリシスもほぼなく、低温度ドリフトおよび低ライフタイム・ドリフトであるため、キャリブレーションの必要性を低減もしくは不要にすることも可能としている。

なお、同製品はすでに量産出荷を開始しており、1万個受注時の単価(米国における販売価格)は1.98ドルとしている。

ADIの磁気角度センサ「ADA4571」のパッケージイメージ