GE Oil & Gasの測定機器部門であるGE Measurement & ControlのGEセンシング&インスペクション・テクノロジーズは10月23日、非破壊検査および品質管理ラボ用途に特化した、産業用高性能CT「phoenix v | tome | x c」が、国内で初めてJMCに導入されたと発表した。

同製品は、非破壊的な方法によって、鋳造品や複合材料を正確な3次元位置計測と定量的な欠陥解析を行い、包含物(不純物)や空孔のサイズ、ボリュームおよび密度情報を正確に計測する。そして、品質向上および欠陥品低減のために生産工程を最適化する。なお、同装置でスキャン可能な対象製品は、タービンブレードなどの中小サイズのスチール鋳造品、ファンブレードなどの複合材部品で、さらにシリンダーヘッドなどの大型軽金属鋳造品の内部欠陥解析、ポロシティー解析、包含物(不純物)事前テストといった非破壊検査にも対応する。

その他の特徴としては、最大X線出力が320kvもしくは450kvで、大型部品のスキャンを可能としながらも生産現場でも3次元CTを可能にする堅牢かつコンパクトなデザインとなっている他、シンプルな操作性によって高精度の3次元計測・非破壊検査業務を必要最小限のトレーニングで実施できる。さらに、全自動化により生産性向上が図れる。また、one-button|CTもしくはclick & measure|CT機能を使用することでオペレータの作業時間を低減できる。この他、保守・メンテナンスコストの低廉化により、総保有コスト(TCO)を削減できる。

今回、「phoenix v | tome | x c」は、JMCの航空・宇宙および防衛部門参入への主要拠点である飯田コンセプトセンター(長野県飯田市)に導入され、2015年4月から開始予定のCTスキャン事業に利用される。これにより、自動車や、航空・宇宙分野で求められている厳しい品質保証体制を実現し「JIS Q9100(航空・宇宙・防衛品質マネジメントシステム)」の取得に向けた動きを加速させるとともに、デザイン・研究開発を含めた世界最先端のものづくりを推進する。GEはこれをサポートしていくとコメントしている。

「phoenix v | tome | x c」

3次元位置計測と定量的な欠陥解析を行い、鋳造品や複合材料を正確に計測する