EV Group(EVG)は10月22日、大面積のソフトナノインプリントリソグラフィ(NIL)プロセス「SmartNIL」を発表した。

太陽光発電、LED、レーザダイオード、光学センサなどのフォトニックデバイスや、バイオ工学用途では、ナノスケール構造を従来の電子線などで描画すると、処理性能が低いため、コスト効率の高い生産に対応して規模を拡大するのは容易ではなかった。また、光リソグラフィ用のステッパ装置などを使えば、処理性能は十分なものの、コストが高過ぎるという問題がある。このため、フォトニックデバイスおよびバイオ工学特定用途では、単一工程で3次元構造(異なる高さを備えた形状)を形成する加工能力が求められていた。この課題に対し、同技術は、150mm以下の基板サイズ向け「EV720」システム、および200mm基板対応の「EVG7200 」システムと組み合わせることにより、フォトニックデバイスとバイオデバイスの量産で要求されるコスト効率性の高いプラットフォームにおいて、高解像度、高アライメント精度、高スループットの3つの要件を最適な形で実現できるとしている。

具体的には、最大200mmの基板全面への一括インプリントが可能で、量産用途向けの全面基板「UV-NIL」ソリューションでは、200mm基板で時間当たり40枚以上のスループットを実現できるという。また、ソフトスタンプ複製を装置内に統合させることにより、クリーンルーム内で省スペースを実現している他、高速スタンプ複製機能では10分以下で複製が完了する。さらに、反りウェハの影響を受けにくく、高段差構造に対するパターニングが可能である。そして、最適化された離型特性によりスタンプ寿命を延長するのに加え、セルフクリーニング機能によりパーティクル汚染を減少させ、プロセス全般の歩留まりを改善する。この他、室温プロセスにより、温度のミスマッチと長い構造体の歪みを回避し、アライメント精度を向上させるとしている。

「SmartNIL」の外観