日立ハイテクノロジーズ(日立ハイテク)は10月20日、米OpGenと共同で、大規模なゲノム構造変化の発見・解析を支援するクラウドソリューション「Human Chromosome Explorer」のアーリーアクセスプログラム(EAP)を開始すると発表した。

「Human Chromosome Explorer」は、日立ハイテクのCE(キャピラリー電気泳動式)DNAシーケンサ事業による豊富な経験や実績および日立グループのICT技術と、OpGenの全ゲノムマッピング技術を融合して開発したクラウドソリューション。大規模なゲノム構造変化の発見など、迅速で高精度なヒトゲノム構造解析を実現するという。

今回のEAPでは、対象となる顧客に対し、全ゲノムマッピングデータやヒトゲノム構造解析ツールなどにアクセスできるポータルや、ヒトゲノムの完全な遺伝子評価結果が得られる解析モジュールを提供する。両社はEAPを経て、2015年に米国での本格的なサービス提供開始を目指しているという。

次世代DNAシーケンサの普及によってゲノム構造解析の高速化が進む一方、完全なゲノム配列を解析するには多くの工程と時間がかかるとともに、ゲノム配列内での大規模な転位や欠失などといった構造変化を解析できないという課題がある。ゲノムの構造変化の多くは、がんや自閉症、アルツハイマー病などと関連しており、このような遺伝子情報は新たな治療法の開発を可能にし、将来的には患者それぞれの遺伝子情報を元にした疾病の診断や治療法決定の指針となることが期待される。