武田薬品とユーグレナは10月16日、ユーグレナ(和名:ミドリムシ)を配合する新製品の開発可能性を共同で検討する包括的提携契約を締結し、プロジェクトの第1弾商品として「緑の習慣」を発売すると発表した。

ユーグレナは2005年に世界で初めてミドリムシの屋外大量培養技術の確立に成功したベンチャー企業。ミドリムシを活用した機能性食品、化粧品等の開発・販売を行うとともに、水質浄化やバイオ燃料の生産に向けた研究を行っている。

提携のカギとなったのはミドリムシ特有の成分

ミドリムシは藻の一種で、動物と植物の両方の特徴をもっており、植物のように光合成を行って栄養素を作るだけでなく、動物性の栄養素も有している。59種類もの栄養素をバランスよく含んでおり、特にミドリムシ特有の成分であるパラミロンは、油やコレステロールの吸収を防ぐ機能をもつことが知られている。

今回の提携契約は武田薬品からアプローチをかけたといい、その理由について武田薬品のヘルスケアカンパニープレジデント 杉本雅史氏は「近年、パラミロンの研究が進み、いろいろな作用・機能が明らかになってきたことで、医薬品会社としての血が騒いだ」と語った。

ミドリムシは細胞壁をもたないため、消化率が非常に高いなど、さまざまな特徴をもつ

ミドリムシに含まれる栄養素のリスト

武田薬品初の健康補助食品

共同プロジェクトの第1弾商品となる「緑の習慣」はミドリムシに加えて、3種の国産野菜を含有するカプセルタイプの健康補助食品。1包3カプセル入りで、3カプセルでミドリムシを1日あたり500mg摂取することができるという。

同製品は武田薬品にとって初めての健康補助食品となり、「タケダ通販ショップ」でのみ取り扱う、通信販売限定商品とのこと。価格は30包入りで5880円だが、初めての購入者は1世帯1回1箱の限定で、7包入りを1000円で買うことができる。

ミドリムシ含有の健康補助食品「緑の習慣」

第2弾商品については明言せず

両社は今後、ミドリムシを配合した新製品の開発を共同で検討していくこととなる。杉本氏は「お客さまのニーズをとらえた上で研究開発を進め、アリナミンやベンザブロックなどのように大きなブランドへ育てていきたい」とのビジョンを明かし、一方のユーグレナの代表取締役社長 出雲充氏は「武田薬品と協力することによって、パラミロンの機能や効能をお客さまに届けていけるようなエビデンスを取得していきたい」と語った。

第2弾商品の構想や発売予定時期は明かされなかったが、両氏はそろって「1日でも早くお客さまに喜ばれるような新製品を」という趣旨の発言をしており、ヘルスケア分野におけるミドリムシの研究がさらに加速していくこととなりそうだ。

武田薬品のヘルスケアカンパニープレジデント 杉本雅史氏(左)とユーグレナの代表取締役社長 出雲充氏