目指すは"ゆるい連携"

今回は、Syn.allianceなど4種類の展開だが、今後さらにサービスは拡充。それぞれのサービスの融合も検討しており、例えばカレンダーに目的地を入力しておくと、道案内も表示してくれる、ファッションサイト閲覧中にセール情報を通知してくれる、といった「ゆるい連携の中で新しい価値を生み出す」(森岡氏)という方向性で検討しているそうだ。

また、DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)を活用した「Syn.DMP」の提供も検討。1社で収集できるデータは限られており、範囲を広めることで、よりサービスの改善に繋がるとしつつ、現時点で決まったことはなく、個人のセンシティブデータを扱う可能性もあることから、提供は慎重に検討していく。当面は、履歴情報を含めて各社でユーザーデータを共有することはしないという。

ユーザーの情報を集めて分析し、それをサービスにフィードバックするDMPも検討する

森岡氏は、「KDDIの立場とは切り離したオープンなインターネット」という位置づけを強調し、今後も参加企業を募っていく考え。基本的には1カテゴリ1社で、「20~30ぐらい」のカテゴリまで拡大していく計画。同様にコンテンツを集めた「auスマートパス」もあるが、「KDDIの垂直統合型とは異なる」(同)という立場で進めていくという。また、同社が出資しているGunosyとも関連はないそうだ。

今回は「前座」として登壇したKDDIの田中孝司社長

右が森岡康一氏

KDDIは、Syn.allianceのメンバーとして報道ヘッドラインを提供するサービス企業の1社として参加するが、これにともなってAppBroadCast、ジョルテ、ナターシャ、nanapi、VASILY、ビットセラー、ルクサに対して総額120億円を出資。nanapi、ビットセラー、ナターシャの出資比率は50%を超えており、KDDI色は強い。それでも森岡氏は、「オープン」という言葉を繰り返し、運営もSyn.allianceのメンバーで行っていくことで、KDDI一色ではない点を強調する。

森岡氏は、「第2、第3、第4弾と、もっと進化していく世界を作っていく」と意気込み、今後も「スマートフォンの価値倍増計画」に取り組んでいく考えを示している。