インテルは10月15日、IoT(Internet of Things)の普及促進に向けた切手大サイズのコンピュータ「Intel Edison」ならびに同モジュールを搭載した開発ボードの国内販売を10月25日より開始すると発表した。

Edisonは22nmプロセスのAtom(Silvermontアーキテクチャベースのデュアルコア、500MHz)と100MHz動作のQuarkコアを搭載したIoTのエッジデバイス向けSoC。40種のGPIOをサポートしているほか、1GB LPDDR3メモリ、4GB eMMCとデュアルバンドのWi-Fi/BTLEを搭載している。

Edisonは2014年1月に発表された当時はQuarkのみを搭載した形でSDカードサイズに対応していたが、9月に開催されたIDFでは、Quarkに加えてAtomコアを搭載したことで、若干サイズが大きくなってSDカードより若干大きくなっていた。

インテルの常務執行役員でビジネス・デベロップメントの平野浩介氏

これについてインテルの常務執行役員でビジネス・デベロップメントの平野浩介氏は、「EdisonのコンせプトはRaspberryPiを小型化したもの。PCと組み合わせて使うのではなく、あくまでIoTを単体で実現するデバイスとして考えた場合、拡張性としてSDIOでは制限があった」と説明。よりEdison単体で活用してもらうための変更であったとした。

今回、国内で提供が開始される製品はチップ単体となる「Edisonモジュール」、単体で開発が可能な「Edison Breakoutボードキット」、Arduinoシールドと連携可能な「Edison Board for Arduino」の3種類。インテルではいずれも価格はオープンとしているが、国内での取り扱いを行うスイッチサイエンスではすでに価格を公表しており、Edisonモジュールが7020円、Edison Breakoutボードキットが8640円、Edison Board for Arduinoが1万2150円(いずれも税込価格)としている。

「Edison Breakoutボードキット」の外観。上に乗っているのがEdisonモジュールとなる。グローバルでの販売は9月に開始されているが、日本では特定無線設備の技術基準適合証明等のマーク(技適マーク)を取得する関係と代理店契約の関係で10月にずれ込んだという。なお、オフィシャルではYacto Linuxをサポートしているほか、Quark側ではRTOSもサポート。2014年第4四半期には双方の開発を可能とする開発ツールの提供も開始する予定だという

「Edison Board for Arduino」の外観。Arduinoシールドを挿して利用することも可能

スイッチサイエンスを含めた10月15日時点での国内取扱い販売店は以下のとおり(50音順)。

  • 秋月電子通商
  • オリオスペック
  • システナ
  • スイッチサイエンス
  • ソフマップ
  • ソフトバンクコマース&サービス
  • ダイワボウ情報システム
  • ドスパラ
  • Project White
  • ユニットコム
  • ワンズ

なお、EdisonモジュールやBreakoutボードは10月17日まで東京ビッグサイトにて開催されている「IoT Japan 2014」のインテルブースにて実物やそれを用いた多数のデモを見ることができるほか、2014年11月23日~24日に東京ビックサイトで開催される「Maker Faire Tokyo 2014」でもGalileo開発ボードなども含めて出展される予定だとしている。

こちらは現時点では販売予定がない小型エッジデバイス「Eaglet」。白いお菓子の箱にすっぽりと収まるサイズながら、加速度、ジャイロ、コンパスの9軸センサとリチウム電池を採用しているほか、3.3VのGPIO/I2C/UARTに対応(Edison単体では1.8V入出力)。C/C++、Python、Node.jsによる開発環境も用意されているとのことで、ニーズが高ければ市販される可能性もあるとのこと

IoT JapanのインテルブースではEdisonを搭載した多脚ロボット(ヘキサポッド・ロボット)のデモも見ることが可能だ