中小企業、あるいは個人事業主という環境においては、社長自らが経理担当者であることが多い。この場合、日常業務と合わせて会計業務を行わなければならず、毎月末になれば納期等と重なり、多忙を極めることになりがちだ。そんな状況の中、会計業務の中でもとりわけ時間が掛かりがちなのが、請求書の発行や見積書の作成といった、いわゆる「バックオフィス」業務だ。この負担を最小限にするため、その苦労を熟知したベンチャー企業の社長自らが開発したというサービスがある。どのようなサービスなのか紹介していこう。

ヴェルク株式会社 代表取締役 田向祐介氏

見積書に請求書……毎月発生する負担の多い作業

月末になると発行しなければならない請求書がたんまり……。ベンチャー企業の中でも受託ビジネスをメインに行っている場合には、このような状況になるケースが非常に多い。さらに、日常業務の納品日も月末になっていれば、もはやネコの手を借りないと絶対に間に合わない、などという事になる。

会社が成長していればなおさら見積もり依頼から納品までに発生する書類も増え、それを都度作成したり、締め日にまとめて送付したりと、日常業務とは別に発生する「バックオフィス業務」は増え続けていく。

これが大きな負担となり、貴重な時間を日単位で潰すことも実際に良く聞かれる話しである。書類の発行にはもちろん慣れの問題もあるが、それ以前に件数による圧迫が大きい。エクセルでマクロを組んで作っても、手書きに比べていくらか効率的になったという程度で、業務改善というにはほど遠い、などということもあるだろう。

今回紹介するヴェルク株式会社のクラウド型バックオフィス業務・経営管理システム「board」は、そんなベンチャー企業の悩みを解決してくれる優れたソリューションだ。

ヴェルク株式会社がリリースした、クラウド型バックオフィス業務・経営管理システム「board」

自らの経験を活かした製品開発

「会計は税務のための業務です。そうではなく、企業の業務を効率化するためのものが業務システムです。ですから、弊社で考えた『board』はベンチャー経営者自身が関わる部分を最小化させ、最大限自動化することを目指して設計しました」と語るのは、ヴェルク株式会社 代表取締役 田向祐介氏(以降、田向氏)だ。

田向氏は自らベンチャー企業の経営者として現在も活躍しており、同様の悩みを持っていたという。「様々な請求書発行システムを導入しましたが、どれも合わなかったのです。そこで自ら開発してみようと思ったのです」と田向氏。同氏は受託型ビジネスの経営者として、それまでの経験を活かす形で最適なツールの開発に乗り出したのだ。

「単純に請求書を発行するのであればエクセルで組むこともできます。それだけではなく、いかに業務にフィットさせるか、それが効率化に繋がるかが重要なのです」と、「board」のコンセプトにもなっている、利用者目線での重要性について語る田向氏。たしかに単純な請求書発行だけでなく、それが経営者の負担にならず、なおかつ業務効率を上げるために機能しなければ意味は無い。自らが経営者でバックオフィス業務に苦しんできた田向氏ならではの着眼点だといえる。

「board」のメイン画面

単なる請求書発行システムに留まらない「board」

2014年8月、田向氏自らの手により「board」は正式リリースとなった。この製品を簡単に説明すると、見積書を作成すると同時に、それに紐付く発注書、発注請書、納品書、検収書、請求書、書類送付状を自動生成する機能をメインに、案件ごとの受発注を管理できる機能を満載しているのが特長。もちろん、こうした基本機能にも大きな特長を持たせているので、導入後すぐにその実力は感じられるだろう。

「『board』をすでにご利用いただいている方で、特に喜んでいただいているのは分析機能ですね」と語る田向氏。既存の請求書発行システムにもレポートを搭載しているものはあるが、「board」では売上分析、顧客別集計、案件区分別集計、タグ別集計、キャッシュフロー予測といった多方面からの集計及び分析結果をグラフとして見ることができる。それだけでなく、発注分析や発注先別集計、発注区分別集計、タグ別集計などもおこなえるのだ。

一般的な請求書発行ツールでは、全体売上や顧客別といったグラフは作れても、それ以上に細かく分類してグラフとして表示することができないものが多い。しかし、「board」では経営判断という部分において、非常に優れたサポートツールとしても使うことができる。例えば、見積もりの確度ごとの売上予測をしたいなどといった、柔軟な未来分析を行う際にも役立つ資料が手に入る。経営に大きくプラスになるはずだ。

視覚情報として情報を見て取れる分析機能

また、先に述べたように「board」は、見積もりや請求書を「案件別」に分けられる特長を持っている。例えば、1つの制作業務が単月で終わり、それ以降は保守業務として毎月定額請求が発生するといったケースがあれば、「制作」と「保守」をそれぞれ1案件として扱うことが可能なのだ。毎月定額で発生する請求書を年間という単位でまとめることもできるので、請求書の発行漏れなどを防ぐ意味合いでとても心強い機能となる。

この他、請求書だけでなく支払い面でも「発注管理」として、案件と紐付けることで損益管理もおこなえる。これは外注を使っての業務がある場合には特にありがたい機能だ。7月に追加された”捺印申請機能”も便利な機能だ。権限が無いユーザーが権限を持つユーザーに対して申請をしておくことで承認済みの書類を各ユーザーで出力できる可能。いちいち、社長の席へ出向いてハンコを貰ったり、月末になって慌てて上長を捜し回るといった心配もなくなるというわけだ。

見積もりは確度ごとに3段階に設定可能。案件ごとに分けられるので、業態に合わせた区分も簡単にできる

社長の時間を長くしてくれる頼もしいサービス

なお、「board」で作成される書類はテンプレートにあるものがそのまま利用できるだけでなく、カスタマイズも可能。クライアント指定のタイトルがある場合や、自社のオリジナリティが欲しいなどといったシーンでも十分対応できる。もちろん、窓付き封筒への宛名印刷にも対応しているので、請求書を相手先に送付するところまで、ほぼ自動化ができる部分も見逃せない。企業のビジネスを理解したうえで、より実戦的にブラッシュアップされていったことが伺える仕様が満載なのだ。

書式の各タイトルはカスタマイズできる。クライアント指定の文字列がある場合でも対応できるのは便利だ

「私がこれまで会社を経営していく中で、実際に行っているバックオフィス業務や経営数値の『見方』をそのまま入れています。ですから、少なくともIT系のベンチャー企業などの同業者の方が見た場合、共感が得られるというお言葉をいただくことが多いです」と語る田向氏。実際にバックオフィス業務の負担を感じつつ苦しんできた同氏の想いが詰め込まれた「board」。単なる請求書発行システムに留まらず、経営をサポートするツールとしても活用することができるのが大きい。

「board」は、毎月の見積もり、請求で悩んでいる人はもちろん、バックオフィス業務に更なる効率性を求めている人にもお勧めのサービスだ。次回は実際に「board」を使ったレビューをご紹介しようと思う。

ヴェルク株式会社

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