日立製作所は10月8日、機器の状態を遠隔で診断し、故障につながる状態変化や異常(故障予兆)を早期に検出して高度な予防保守を実現する「Global e-Service on TWX-21/故障予兆診断サービス」を開発し、グローバル市場で機器の製造・販売・保守を展開する企業に向け、10月10日から販売開始すると発表した。

同サービスは、SaaS型機器ライフサイクル支援サービス「Global e-Service on TWX-21」の新メニューとして、故障予兆診断システムをクラウドサービスとして提供するもの。

具体的には、「ベクトル量子化クラスタリング(VQC:Vector Quantization Clustering)」または「局所部分空間法(LSC:Local Sub-space Classifier)」に基づく診断アルゴリズムを活用して、機器の状態を遠隔で診断し、早期に故障につながる状態変化や異常を検出するシステムをクラウドサービスとして提供する。

「Global e-Service on TWX-21/故障予兆診断サービス」の利用イメージ

機械学習技術を応用して機器の正常な状態のセンサーデータを学習させ、機器ごとに事前に作成した診断モデルに基づき、そのデータとの差異を異常度として出力し、故障の予兆かどうかを診断する。

機器の特性や、設置場所の違いによる使用状況の差異などを加味した診断が可能で、より高精度で故障の予兆を検出できる。

診断モデルの作成にあたっては、同社のビッグデータ利活用に関する専門家である「データ・アナリティクス・マイスター」が、実際の機器のセンサーデータを用いて、2つの診断アルゴリズムの適用性の評価をはじめ、診断方法の具体的な検討、性能評価などを行い、機器ごとに最適な診断モデルの作成を支援する。

そのほか、機器のセンサーデータや故障予兆診断の結果はWebブラウザ上で確認でき、機器別のセンサーデータの推移、機器別、日別の異常の有無のサマリー情報、診断アルゴリズムで算出した異常度のグラフ表示など、さまざまな側面からの機器の状態の見視覚化を実現している。

同サービスは、「アドバンスドサービス」「機械管理・サービス機能群」「ナレッジ管理機能群」「基本機能群」から構成されている。サービス導入の際は、基本機能群および機械管理台帳機能の利用が前提。価格は月額180万円からで期費用としてサービス導入支援作業(コンサルテーション、システム構築費用など)が別途必要になる。

「Global e-Service on TWX-21」のサービス構成