手描き系のアプリは、iPadのiPadらしさが活きるアプリのひとつ。筆者もメモやドローイングに活用しているが、その使い勝手を大きく左右するのがスタイラスだ。ボディの重さや太さ、持った時のバランス、ペン先の硬さや書く際の抵抗感。店頭のサンプルでは善し悪しを計りにくく、文字系とペイント系で使いやすさのポイントが異なるなど、選択に悩むことが多いアイテムだ。

最近、電池内蔵タイプでペン先の細いものが気になっていたものの、価格や駆動時間にイマイチ不満があり、手を出せずにいた。そんな時に見つけたのが、鉛筆風のルックスが目を引くその名も「Pencil」。ドローイングアプリ「Paper」を提供しているFiftyThree の製品で、リチウムポリマー電池内蔵の充電式。通常の使用で約1カ月使用可能と謳われている。"通常の使用"がどの程度か明確ではないが、話半分としても月に2~3回の充電で済むなら魅力だ。 Bluetooth接続によりPaperと連携して独自の使い勝手を提供していることも大きなポイントだが、何よりデザインが使ってみたい気にさせる。しばらく迷って価格の安いグラファイトを購入したが、デザイン的にも、マグネットでiPadに吸着できるという点からも、ウォルナットにしておけばよかったと後悔している(100%自腹です)。

まずは基本的なスペックを見ていこう。パッケージはシンプルな紙筒で、中には本体と交換用ペン先、簡単な説明書が収められている。充電池はペン先と一体でボディから取り外せるようになっており、そのままUSB端子に接続して充電開始。1時間程度で終了した。

デザイン性と省資源を両立したパッケージ

ペン先を外して充電。端子の向きに注意

本体重量は約35gと、スタイラスとしては重い方だが、持っていて疲れる重さではない。スタイラスに限らず、筆記具は経験的に重さよりも手に持った時のフィット感やバランスのほうが疲れ方に影響する。その点では、デザインやスケッチで使われる四角い鉛筆型のシェイプは非常に持ちやすく感じられる。では、実際にPaperに接続して使ってみよう。

グラファイトのボディはヘアラインのアルミ製

ペン先のゴムは比較的薄めで、パウダーをまぶしたようなサラッとした質感

背にもゴムがついており、Paperに接続すると消しゴムツールとして機能する