1990年代に発掘されたハドロサウルス科の恐竜の化石が、実は新種の恐竜であったことがわかった。

この発見は米・ノースカロライナ自然科学博物館、ノースカロライナ州立大学、ブリガムヤング大学の研究グループによるもので、9月19日付(現地時間)の国際科学誌「Systematic Palaeontology」に掲載された。

今回新種と発表されたのは「ライノレックス」というハドロサウルス科の草食恐竜。非常に大きな鼻が特徴で、名前はそのまま「巨大な鼻」を意味する。体長は約9m、体重は約3.8tと推定され、7500万年前(白亜紀後期)に現在のユタ州に生息していたと考えられている。

今回の化石はこれまで、同じハドロサウルス科の別の恐竜のものとして扱われており、皮膚の研究に用いられていた。同研究グループが頭蓋骨を組み立てたところ、新しい種類の恐竜だと判明した。

なぜ鼻が巨大化したかは詳しくわかっておらず、他のハドロサウルス科の恐竜から考えて、嗅覚の発達によるものとは考えづらいという。同研究グループは「メスへのアピールや、植物をつぶすくちばしとしての機能を果たしていたのではないか」とコメントしている。

「ライノレックス」のイメージ図 (C) Julius T. Csotonyi