鹿島は9月18日、日本金属化学との共同研究により、水中の放射性セシウム濃度を高速でより確実に検知する連続モニタリング装置「セシモニウォーター」を開発したと発表した。

同装置は、大量の測定対象(モニタリング水)の内部にセンサを配置することで、センサの有感部に入射する放射線数を増加させるとともに、放射性セシウムを検知するセンサに改良を加え、感度を大幅に向上させた。また、外部からの放射線を確実に遮断するための遮へい構造には、従来の鉛や鉄板に替えて、水による自己遮へい方式を採用した。これにより、水を抜いた装置本体の重量が軽量化され、排水処理施設への運搬や設置が容易となったと同時に、誤検知を防止して高感度化を実現した。さらに、センサ周囲のモニタリング水を常時撹拌し、水中の放射性セシウム濃度のムラを無くすことで、効率的でより確実な検知が可能となった。この他、1時間あたり7m3の測定能力を持つことで、排水の連続モニタリングを実現したとしている。

同装置により、下水処理施設や廃棄物処理場で行われている、大量に発生する排水に対しての通常の水質管理項目と同様に、放射性セシウム濃度の連続モニタリングを行うことが可能となった。今後、除去土壌などの中間貯蔵施設での適用を見据え、同装置の性能評価と自動化を推進しながら、排水中の放射性セシウムの常時監視を実現し、放流水のさらなる安全・安心に貢献していくとしている。

放射性セシウム濃度の連続モニタリング装置 「セシモニウォーター」