インテックは9月9日、アプリケーションを明示的に起動、操作しなくてもスマートフォン/タブレットの位置を検知することができ、かつプライバシーに配慮したWi-Fi位置検知技術を開発したと発表した。本技術は、9月末にベータ版の提供、年内に商用提供を予定している。

Wi-Fi位置検知技術利用例

従来のWi-Fiを使った位置検知技術は「MACアドレス」を使用しているが、欧米などを中心に、消費者の許諾なしにMACアドレスを利用する位置検知技術がプライバシー保護の観点から「疑問視」されている。スマートフォンOSによる「MACアドレスのランダム化」も検討されているが、今回開発された技術は、アプリ起動不要のWi-Fi位置検知技術で、スマートフォン/タブレットが常時発信している電波を使って位置情報を検知することができるもの。

利用例の一つとして、Wi-Fi検知ノードを設置した店舗にスマートフォンを持って来店した登録済みの利用者は、アプリを明示的に起動や操作しなくてもスマートフォンが自動的にチェックインを行うため、来店者向けの特典(来店ポイントなど)を自動的に加算。また、店舗では、スマートフォン等の上でアプリが起動されていなくても従来のWi-Fi検知技術と同様にデバイスの位置検知や対象エリアの混雑度集計データを集めることができる。

さらに、同技術はスマートフォン/タブレット利用者のプライバシーに配慮し、利用者自身が位置検知技術利用の可否を選択できるオプトインを前提とし、MACアドレスを使用せず、位置情報取得の承諾をした時に自動的に付与される一時的な識別子を利用する。このため、利用者が本位置検知技術の利用中止操作を行った場合には、その利用者に関わる情報が削除される。店舗にとっても、MACアドレスを使用せずにこの一時的な識別子を利用することで、利用停止済みのスマートフォン/タブレットのMACアドレスを永続的に管理する業務や集計データから除外する作業が不要となる。

位置検知識別子を含む設定情報のダウンロード

なお、iOSの場合は、新たなアプリを導入せず、既存のWebブラウザのみでも利用可能で、利用開始時に位置検知識別子を含む設定情報をサーバからダウンロードすることで利用可能となる。

同社では、9月末にベータ版の提供、年内に商用提供を予定している。