NXP Semiconductorsは9月9日、家電、コンシューマエレクトロニクス、ウェアラブル機器、ホームオートメーション機器などの広範な用途向けにNFCタグデバイス「NTAG I2C」を発表した。

同製品は、非接触型NFCインタフェースと接触型I2Cインタフェース、オンボード不揮発性メモリの組み合わせにより、NFCデバイスとしてペアリング、電子機器のパーソナル化、デバイスメンテナンスなどの新しいタイプのNFCタグインタラクションを可能にする。既存のNTAGソリューションがNFC対応機器同士でしか通信できないのに対し、同製品はあらゆる電子機器に組み込むことができ、既存のマイコンを経由することにより、幅広くアクセスできる。

具体的には、低消費電力動作のためのアプリケーションにも最適化されており、低消費電力マイコンなどの外部回路への給電のために、NFCモバイル機器からの磁界エネルギーを使った発電も利用可能。さらに、自動スイッチオンのための磁界検出機能の内蔵により、NFC携帯電話の待機時バッテリ消費を低減する。また、ISO 14443A/NFCフォーラムに完全に準拠し、I2Cインタフェース、エナジーハーベスト機能、オンボードEEPROMを搭載したType 2タグチップであり、あらゆるNFC対応製品との互換性を確保している他、電源がなくてもデータが保存できる。こうした機能の組み合わせにより、ウェアラブル機器のセッティング、校正、カスタム化などに最適となっている。

さらに、専用のパススルーモードの採用により、クラウドや先進的なユーザーインタフェース/ディスプレイへの接続が可能になり、豊富な機能を持つNFC対応製品と各種電子機器間の双方向データ通信を実現する。また、通信ツールとしての集積も容易になる。なお、「NTAG I2C」ソリューションは、最近リリースされたMIFARE SDK(ソフトウェア開発キット)で利用可能で、あらゆるハードウェア機能にJavaレベルでアクセスが可能になり、NTAGデバイスと通信可能なAndroidアプリの開発を容易に行うことができる。さらに、モノのインターネット(Internet of Things)やウェアラブル技術を支えるさまざまな新しいアプリケーションを設計することができる。