夏の間の電気代を見て、「えっ、こんなに!? 」とその高さに驚いた人もいることだろう。そこで今回は、簡単にできる電気代の節約術をファイナンシャル・プランナーの伊藤亮太さんに紹介していただく。場合によっては年間で2万円以上節約できる可能性もあるという。

待機電力をカットする

エアコンの温度設定も見直してみよう

一般財団法人省エネルギーセンター「平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書」によれば、家庭全体の使用電力の5.1%が待機電力とのこと。待機電力とは、コンセントに電源コードを差し込んでいるだけで消費する電力をさします。つまり、実際には電気機器を利用していなくても、コンセントにコードをさしているだけで電力がかかっているのです。

仮に毎月1万円の電気代がかかっているご家庭であれば、年間で6,000円もの待機電力が発生していることになります。省エネルギーセンターの報告書によれば、待機電力消費量が多いのはガス温水器、テレビ、エアコン、電話機が上位に。これらは必要がないときはコードを抜くか、待機電力カットができるテーブルタップを利用しましょう。

こまめに節約

次に行いたいのが、こまめな節約。東京電力のホームページを見ると、エアコンを夏の13時~22時に室温設定を1度上げることで年810円の節約、冬に暖房時の室温設定を1度下げることで年930円の節約につながるとのこと。また、ホットカーペットをご利用のご家庭であれば、設定温度を「強」から「中」にするだけで年間2,280円(2畳)~3,420円(3畳)もの節約に。

冷蔵庫は設定温度を「強」から「中」に下げることで年間2,040円の節約、冷蔵庫のドアの開閉時間を短くしたり開閉する回数を少なくすることで年間2,400円の節約、洗濯乾燥機はタイマー機器を利用して夜間にまとめて洗濯・乾燥を行うことで年間1万1,880円の節約となる。

以上のことをこまめに節約行動するだけでも年間で2万円以上の節約につながります。

基本契約の見直し、電気代の夜間サービスを利用するのも一手

その他、電気料金の基本契約の見直しを行う方法があります。今住んでいる家で1年を通じてもっとも電気を利用する状態を想定(例: 冷房を使う夏)し、その時のアンペアがどれくらいかを計算します。例えば、東京電力の「わが家のアンペアチェック」などを利用すれば簡単に計算できます。この結果と実際の契約アンペアを比較し、実際に必要としているアンペアよりも多く契約しているのであれば、見直し可能といえます。場合によっては契約見直しにより、年間で数千円程度は浮くと思われます。

最後に、仕事で昼間はほとんど家にいない方や夜型の生活を送っている方には、「時間帯別電灯契約」をおススメします。この契約により、電力会社によっても多少異なるとは思いますが、一般的には夜10時から朝8時までの電気料金を7割以上値引きが可能となります。そのため、夜洗濯機をまわすことが多い方などにとっては、お得といえます。ただし、日中の電気料金が2~3割あがることになりますので、夜に電気をメインで使う方にメリットがあるといえます。

これらすべてを行えば、年間2万円どころかさらなる節約が可能となります。即、実行しましょう。