理経は8月28日、軍事および航空機向けの米MTI-Milliren Technologies製「セシウムオシレータ」の販売を開始したと発表した。

同製品は、高耐加速度特性の小型DOCXOとセシウムオシレータの複合ユニットを製品化したものであり、主に衛星や飛行機に搭載される受信機や復調器に使用されるという。これにより、環境に左右されず正確な時刻を得ることができ、飛翔体が極めて正確な位置情報を把握することできるようになった他、航空機搭載用途で要求される耐加速度、耐振動、環境温度特性などの基準を満たすことが可能になったという。さらに、DOCXOとセシウムオシレータを複合化することで、DOCXO(水晶)やルビジウム発振器と比べ高い周波数安定度を実現し、劣悪な環境においても極めて低い位相雑音値を維持することができるとしている。

具体的には、通常値が5×10-11/日という高い周波数安定度を有する。また、外部の基準信号、もしくはGPS信号でロックすることが可能となっている。さらに、-40℃の環境下でも、消費電力は16W以下であるのに加え、起動後9分以内に安定化し、30分のウォームアップで4×10-10オーダーの安定度が得られる。この他、放熱は空冷で、高高度のような気圧の低い状態でのわずかな対流でも耐えられるよう設計されている。

なお、理経では振動環境などが劣悪な軍事、航空機および艦船搭載用、および衛星通信地球局の設備、各種通信設備用として、初年度10台、次年度30台を目標に拡販していくとしている。

理経が販売を開始する米MTI-Milliren Technologies製「セシウムオシレータ」