今年の春闘ではベースアップを実施する企業が増加し、大手企業の夏のボーナスも2年連続でアップした(経団連調査)。これまで家計のヤリクリに追われていた人も余裕ができ、資産運用に興味を持ち始めた人が増えているのではないだろうか。

富裕層は若い時から資産運用に熱心!?

では、資産運用の上級者がいると思われる"富裕層"は、実際にどんな資産運用を行っているのか。ナショナルオーストラリア銀行は、2014年7月16日~18日の期間に、年収2,000万円以上の富裕層508人(40代~60代)を対象に調査を実施。同調査で、富裕層に資産運用をしているかと尋ねたところ、「している」は72.2%に上った一方、「していない」は3割未満の27.8%にとどまった。

資産運用をしていますか?

資産運用をどれくらいしているかとの問いに対しては、「20年以上」が37.9%、「10年~20年未満」が27.5%となり、合わせて約3人に2人に当たる65.4%が「10年以上」と回答。さらに、40代だけを見てみると、男性の83%、女性の77%が「5年以上」と答えていた。

資産運用をどれくらいしていますか?

この結果から、日本の富裕層は早い時期から資産形成に取り組んでいることがわかる。だが、一般的には若い時から積極的に資産運用を行う人は少ない。例えば、2014年1月より開始されたNISA(少額投資非課税制度)について見ると、利用者は投資経験のある40代以上が中心で、20代、30代はそれぞれ1割未満にとどまっている(日本証券業協会、2014年5月調査)。人気タレントをイメージキャラクターに起用するなど、盛んにピーアールしているが、なかなか若者の利用者が増えないのが現状だ。

資産運用に取り組む若者が少ない理由としては、「経済力がない」「関心がない」「リスクを回避したい」といった点が挙げられる。しかし、若者には長期運用ができるという大きなメリットがある。また、年金制度の崩壊が叫ばれる中、多少の無理をしても早い時期から資産運用に取り組むことは、将来を考えると賢明な選択といえるかもしれない。

富裕層の資産運用先、2位は「外貨預金」

次は資産運用方法について見てみよう。富裕層の資産運用先は「国内株式」が76.6%でトップ。次いで、「外貨預金」が40.1%、「国内株式投資信託」が39.0%、「国内債券(国債、地方債、社債)」が25.3%と続いた。このうち、2位の外貨預金については約10人に4人が利用していることになる。

外貨預金は、為替レートの動向により資産が増減するため、円安が進むとより戻ってくる金額が増える。外貨の中でもオーストラリアドルは、他国通貨の金利が低下する中、依然高い金利で人気を集めているという。

どのような商品で資産運用をしていますか?

"海外派"と"国内派"で見方に違い?

今回の調査では、「海外資産に投資する商品でも運用をしている"海外派"」、「国内資産に投資する商品でしか運用をしていない"国内派"」の2つのグループに分けて直近の富裕層の特徴を調査。すると、"海外派"の方が資産運用に成功しており、今後についても明るい見通しを持っていることが判明した。

具体的には、「資産UPに成功しているか?」という質問に対し、「かなり資産を増やしている」と答えた割合は海外派で20%だったのに対し、国内派は14.5%にとどまっていた。

また、資産運用先として海外不動産投資は上位にランクインしなかったものの、"海外派"の10人に1人以上となる11.2%は、海外不動産投資で今後運用をしたいと考えていることもわかった。

対馬在日代表 東京支店長は「"海外派"の方が"国内派"の富裕層に比べて自身の資産運用の結果に満足している人が多い、という結果はあまり驚きではありません。むしろ、中国の富裕層が世界の主要市場で積極的に不動産投資をしているのに対して、日本の富裕層は海外不動産投資をしている方が少ないという点が驚きでした」と話している。

これから始めるなら海外不動産投資

確かに海外不動産投資の人気が高まっている中国や台湾などと比べて、日本人は消極的だ。しかし、海外不動産投資には、資産分散に加え、リスクはあるものの上手くいけば大きな売却益を得られるというメリットがある。運用方法には証券化されたREITもあり、取引もしやすい。

「日本の富裕層にとって、今後はオーストラリアなど、日本と異なる景気循環下で動いている海外の不動産市場に投資をすることで、よりよい利回りを追求することができるのではと思います」と対馬在日代表 東京支店長。日本人の海外不動産市場は発展途上だが、それ故に今後の成長が期待できる資産運用のひとつといえるだろう。

高まる海外資産への関心

富裕層の間では海外資産への関心も高い。同調査では、現在は国内の資産でしか資産運用をしていない"国内派"の中でも、4人に1人が将来的に海外の資産で資産運用をする意向があると回答。国内派が海外資産での資産運用に意向がある理由としては、半数近くが、「為替差益による収益期待」を挙げている。また、10人に4人が「国内投資より利回りがよさそう」と答えており、海外資産での資産運用の成功ポテンシャルの高さに魅力を感じている様子がうかがえる。

対馬在日代表 東京支店長は「日本の富裕層は、保有資産を分散しないことによるリスクや機会損失について考えるよい機会だと思います。特に"国内派"の方々にとって外貨預金は非常に身近な商品です。また、弊行などをご利用いただければ、海外不動産投資もしていただけます」と話している。

オーストラリア最大の商業銀行、ナショナルオーストラリア銀行グループ

ではここでナショナルオーストラリア銀行グループについて紹介しよう。同グループは1858年にメルボルンにて設立。150年を超える歴史を持つオーストラリア最大の商業銀行として知られる。1,200万人以上の顧客数、世界中に4万人以上の従業員を有し、アジア、オーストラリア、ニュージーランドにおいて急速に増加する資金と貿易の流れに伴うニーズを所有する、個人・法人向け金融サービスのスペシャリストだ。

現在、日本、香港、中国、シンガポール、インドには支店を、インドネシアには駐在員事務所を展開。アジアにおける業務実績は40年以上となり、オーストラリア、ニュージーランドと成長著しいアジアにおけるビジネス展開をサポートし続けている。

2014年8月には、富裕層向け情報発信サイト「オーストラリアと共に描く豊かな未来 National Australia Bank Journal」をオープン。同サイトでは、情報そのものが不足している富裕層向けに、資産運用やライフスタイル、同社の強みであるオーストラリアに関する情報などを多角的に提供することを目指しているという。

ナショナルオーストラリア銀行による富裕層向け情報発信サイト

資産運用には様々な方法がある。皆さんも自分の目的と経済状況に合った運用方法を見つけて、早めの資産形成に取り組んでみてはいかがだろうか。