雪印メグミルクは8月14日、大豆イソフラボン(ISO) と乳塩基性たんぱく質(MBP)の併用摂取により、非荷重(宇宙での無重力や寝たきりによって、身体への荷重が減少した状態)による骨量減少を抑制することを確認したと発表した。

同成果は国立健康・栄養研究所の松本雄宇氏、同 東泉裕子氏、同 石見佳子氏、雪印メグミルク ミルクサイエンス研究所の加藤健氏らによるもの。 文部科学省の「宇宙科学技術利用促進プログラム」として実施されたもので、詳細は8月21日に開催される「第61回 日本栄養改善学会学術総会」にて発表される予定。

若田光一宇宙飛行士が国際宇宙ステーションのコマンダーを務めるなど、宇宙に長期滞在が可能となった現代だが、そうした微小重力環境では、非荷重に起因する骨量の減少が、地上の数倍から10倍の速さで進むため、その減少を軽減する方策が求められており、さまざまな研究が行われ、地上の骨粗鬆症患者向け薬品などとして、その成果が還元されてきた。。

これまでのさまざまな研究から、ISOが骨の健康維持に有用であることは報告されているほか、牛乳に含まれるタンパク質から構成される複合物であるMBPに骨代謝の改善効果があることも確認されている。

今回の研究では、マウスを通常飼育する荷重群と尾部懸垂(マウスの尾部を吊上げ、後肢が浮く状態で固定すること)による非荷重群に分け、荷重群には対照食を、非荷重群には、それぞれ、対照食、0.5% ISO食、1% MBP食、0.5% ISO+1% MBP食を与え、3週間飼育し、それぞれの骨密度を測定。その結果、ISOとMBPの併用摂取では、ISOとMBPを、それぞれ単独に摂取した場合に比べ、骨密度の低下が抑制されることを確認したという。

今回の結果について同研究グループは、ISOとMBPの併用摂取には、宇宙環境や寝たきり等による荷重減少に起因する骨量減少を予防する効果が期待されるとしており、今後さらに検討を進め、作用メカニズムなどに関する詳細な知見を取得していくとしている。