無線LAN内蔵SDカードの先駆けとして人気の「Eye-Fi」が、ブランド名を「Eyefi」に変更し、新しい「Eyefi Mobiカード」とサービスを送り出してきた。実際の使い勝手はどうなのかチェックしてみよう。

デザインも一新した「Eyefi Mobiカード」。スピードクラスはClass10。価格は8GBが4,980円、16GBが6,980円、32GBが9,980円

より速く、より安定したカードとアプリ

Eye-Fiは、SDカードに無線LANを内蔵し、デジタルカメラで撮影した写真をワイヤレスで転送できるという製品だ。当初はパソコンやインターネットに転送することを主な用途としていた。その後、スマートフォンの普及にともなって「Eye-Fi Mobiカード」が登場し、それをさらに進化させたのが、新製品の「Eyefi Mobiカード」だ。

Eyefi Mobiカードの基本的な機能は、従来と大きな違いはない。カメラに挿入して撮影すると、自動的にカードの無線LANが起動し、無線LANアクセスポイントとして機能する。周辺にある「Eyefi Mobi」アプリをインストールしたスマートフォンやタブレットは、自動的にそのAPに接続して、そこから画像を取得する。

AndroidやiOS向けの「Eyefi Mobiアプリ」

カードのアクティベーションコードを入力する

カメラにカードをいれて、一度試し撮りをするとカードが認識される

あっさりと接続され、画像が転送された

Android端末で実際に使ってみると、従来に比べて、Eyefi Mobiカードへの接続、画像の転送はいずれも高速化したようだ。別の無線LAN APに接続していても、自動的にEyefi Mobiカードに接続してくれるし、撮影するそばから次々と画像が転送されるのは快適だ。Eyefi Mobiアプリが一新されたことに加え、おそらくカードのファームウェアのアップデートも功を奏しているのだろう。

スマートフォンやタブレットの無線LANがEyefi Mobiに接続して、画像を転送して、再び切断するまでは1~2分程度。その後、再び元の接続先に自動的に切り替わるので、利用者が特別な設定をする必要はない。

写真が撮影されると、すぐに無線LANの接続先が切り替わり、Eyefi Mobiカードに接続。続いて、撮影したばかりの写真が次々と転送される

Eyefi Mobiカードは「ひたすら、すべての撮影画像を転送する」ので、機能としては単純ではある。カメラのバッテリに対する影響は大きめなので、Eyefi対応のカメラであれば、必要な時だけ機能をオンにする、という使い方が賢明だ。逆に非対応カメラでは常に無線LANが動作するため、使い方を工夫したほうがよさそうだ。

たくさんの写真を撮り、その中からベストショットをいち早く転送したいという場合は、撮影画像の優先転送機能を利用する手もある。Eyefiで画像が転送できない状態(カメラのEyefi設定をオフにするなど)で撮影した画像は、カメラでプロテクト設定すると、次に転送する際に優先的に転送されるので、時間の節約にはなる。

パソコン向けの「Eyefi Mobi転送ツール」もバージョンアップしており、試した限りは、従来の転送ツールよりも安定性が向上し、画像の転送も速くなっているように感じた。さらにカードを接続・切断できる機能も搭載されている。これはスマートフォンアプリにも欲しい機能だ。

パソコン用のEyefi Mobi転送ツール

転送先フォルダを指定できる

データ転送中の画面

ちなみに、スマートフォン向けのEyefi Mobiアプリは、従来の「Eye-Fiアプリ」とは別アプリになっていて共存できるが、パソコン用の転送ツールはいったん旧版をアンインストールしてからインストールする必要がある。

Eyefi Mobiカードを購入すると、後述する「Eyefiクラウド」の有料サービスを90日間利用できるようになる。既存のEye-Fi Mobiカードの所有者も、新しいEyefi Mobiアプリにカードを登録すると、90日間の利用権が付与される。つまり、既存ユーザーであれば、Eyefi Mobiカードを購入しなくてもEyefiクラウドを利用できる。ただし、パソコン向けのEyefi Mobi転送ツールでカードを登録しても、クラウドの利用権は付与されないようだ。